6月15日(土)、アメリカのペンシルべニア州にあるハイポイントレースウェイにて、AMAプロモトクロス選手権第4戦が開催されました。

Team Honda HRCの下田丈はここまでの3戦で6位、5位、4位と毎戦総合順位を上げてきており、表彰台まであと一歩というポジションまで来ています。予選の順位は12位とやや上位陣と比べて遅れをとっていますが、レースでどう挽回するでしょうか。

写真はAMAプロモトクロス選手権第3戦のもの

moto1ではアウト寄りのグリッドからスタートした下田は、7番手でファーストコーナーを通過します。ホールショットを獲得したのはニコラス・ロマーノ。1周目終了時点で下田のチームメイトのチャンス・ハイマスがトップに立ち、タイ・マスタープール、ライダー・ディフランチェスコ、そして下田と4台のトップ集団が形成されます。一方、ランキング首位のヘイデン・ディーガンはスタートでやや出遅れ、20番手からの追い上げを余儀なくされました。

下田はレース開始5分ほどでディフランチェスコをパスして3番手に立つと、前を行くマスタープール、そしてトップのハイマスを追いかけます。しばらくこのオーダーは変わらず、それぞれが1〜2秒差で走行を続けますが、レース中盤、この均衡が破られました。下田がマスタープールとの差を縮め始めたのと同じタイミングで、先頭のハイマスがコーナーの轍と周回遅れのライダーに苦戦し失速、その隙をついたマスタープールと下田がハイマスをパスします。このまま三つ巴の争いになるかと思われましたが、トップのマスタープールがここぞとばかりにペースを上げたことで他2台をやや引き離します。

レース終盤、再びレースが動きます。上位勢より2秒以上早いラップタイムで追い上げを続けていたディーガンが、3番手を走るハイマスの後ろにまでポジションアップ。計時終了直前にハイマスをパスし、勢いを保ったまま下田にも襲いかかります。ラスト3周、ディーガンはコーナーで並んだ下田を立ち上がりでパス。さらにラストラップに突入するタイミングでマスタープールも抜いて先頭に立ちます。マスタープールは懸命にディーガンを追いますが、ディーガンのスピードには敵わず、そのままディーガンが優勝、2位にマスタープール、3位に下田丈というオーダーでレースが終了しました。下田は前戦のmoto2に続き今季2度目のヒートポディウムを獲得。moto2に向けて弾みをつけました。

写真はAMAプロモトクロス選手権第3戦のもの

下田丈は、moto2では中央イン寄りのグリッドからスタート。10番手で最初のコーナーを抜け、6番手で1周目を終えます。ホールショットを獲得したのはコティ・ショック、その後ルーキーのマーク・フィネスがレースをリードします。ディーガンは1周目に転倒があり20番手前後まで後退、またも後方からの追い上げを強いられます。

5分経過時、トップはトム・ビアルに交代。下田はビアル、フィネス、マスタープール、ハイマスに次いで5番手で走行します。9分経過時には先頭を走るビアルが転倒し下田の前の4番手まで後退。もう一度フィネスがトップに立ちますが、すぐにマスタープールがそこをパスしてレースリーダーとなります。

レース中盤、マスタープールのミスによりフィネスが再度先行しますが、直後に転倒。フィネスは順位を大きく落とし、その隙をついた3番手のハイマスがトップに立ちます。少し後ろでは、追い上げてきたディーガンが背後に迫り、残り15分のところで下田をパス。ディーガンはさらに加速し、前のビアルを追うと残り6分でバトルの末ビアルをパスし、表彰台圏内にまでポジションを上げます。

前方では、残り4分を切ったところでマスタープールがハイマスに勝負を仕掛け、コーナーでややミスがあった隙をついてトップに。さらにディーガンが、この時点で約10秒あった2番手のハイマスとの差を大きく詰め、最終ラップで捉えて2番手にまで上がります。この順位でチェッカーとなり、優勝はマスタープール、2位がディーガン、3位がハイマス。下田はレース後半独走態勢に入り、5位でレースを終えました。

総合順位では、moto2を制したマスタープールが2-1で優勝。自身初優勝を遂げたと同時に、チームプロサーキット300勝目という快挙も達成しました。総合2位は2-1のディーガン、3位は4-3のハイマスで、下田は3-5で総合4位に終わりました。

Pro Motocross 250 Class Highlights | High Point National 2024

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450クラスのmoto1では、レッドプレートをつけたハンター・ローレンスがホールショットを獲得し、そこに弟のジェット・ローレンスが続きます。ローレンス兄弟は序盤から抜け出して2台でトップ争いを展開し、レース中盤ジェットが先行。そのまま最後まで兄弟ランデブー走行を続けますが、ジェットが逃げ切って優勝、2位がハンターで、3位にはチェイス・セクストンが入りました。

moto2では、フィル・ニコレッティがホールショットを獲りますが、ジェイソン・アンダーソンがすぐにリードを奪います。レース中盤、アンダーソン、ジェット、セクストンの3台でトップ集団を形成し、バトルが展開されます。セクストンとジェットはここから2台で抜け出し、バトルを継続。この優勝争いはレース終盤までもつれ込みますが、残り4分でセクストンが転倒し、ジェットがそのまま独走して優勝。2位はセクストン、3位はハンターで、総合順位もこの順の通りとなりました。

Pro Motocross 450 Class Highlights | High Point National 2024

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