東京都世田谷区にお店を構えるオートバイタイヤ専門店スピードスター。毎日ひっきりなしにライダーが訪れる、その魅力を取材しました
オートバイタイヤ専門店 スピードスター
住所:東京都世田谷区世田谷1-48-8
営業時間:平日9:30〜20:00、休・祝日9:30〜19:00
TEL:03-3427-1351
スピードスターは都内でも有名なタイヤショップ。タイヤ交換をはじめとするオートバイの足回りのメンテナンスとタイヤの販売(店舗とオンライン)を専門としています。2003年6月にオープンし、昨年開店20周年を迎えました。店舗は東京都世田谷区にあり、都道427号、いわゆる「世田谷通り」沿いに位置しています。迅速かつ丁寧な対応に定評があり、off1.jp編集部も何度となくお世話になってきました。今回はスピードスターがどんなお店なのか、その魅力を取材しました。
どんな車種にも対応できる知識量と経験の高さ
今回は店長の田代さんにお話を聞きました。そもそもスピードスターはオーナーの独立がきっかけでオープンしたそうです。
「スピードスターは現オーナーが始めたお店です。彼は元々タイヤ専門店で働いていて、その経験を生かして独立しました。お店の特徴としては、基本的に”どんなバイクでも作業する”というのがうちのやり方です。古いバイクから最新の車種、さらには整備が難しいサイドカーなど幅広く受け入れています。
なぜ何でも受け入れるのかというと、オーナーが大のバイク好きでバイクへの興味や関心がすごいあるんですよね。タイヤもそうで、常に新しい種類や有名メーカー以外のタイヤの流れを調べていますし、知らないバイクやタイヤに出会ったら、できないと言うのではなく調べて対応します。引き受けない車両が無いので、どんどん知識と経験が溜まっていきます。そのため、この車両にはこれが合う……というように対応できたりする。この知識の幅広さはうちの強みですね」
オーナーの好きが詰まった店舗
「店舗は外観からもわかるように、他のショップさんだとあまり見ないアメリカンテイストです。オーナーはこういうのが大好きで、例えば店舗の看板はネオンだったり、店内の棚にはバイクや車のおもちゃや雑貨、フィギュアが飾ってあります。レジの壁に貼ってあるポスターもオーナーの好みですし、外観も内装もオーナーの”好き”が詰まっています。店舗前に置いてあるハーレーもオーナーのものですね。車も好きでレーシングカーを持っていたり……彼を見てると本当に乗り物が好きなんだなと感じます」
また、お店の体制はオーナーの水口さんと店長の田代さんに加えて、社員1人とアルバイトスタッフ1人という合計4人で営業しています。田代さんに入社のきっかけを聞くと、「僕は10年前からこのお店で働き始めました。僕は元々このお店にお客さんとして来ていたんです。学生の頃に免許を取って、バイク整備をお願いするお店を探していた時に、友達が『なんか不思議なバイク屋がある』と教えてくれたのをきっかけに通い始めました。そして、26歳になって仕事を辞めてフラフラしていた時に、遊んでるんだったらうちで働けばと誘われて。こんな誘いはないと思って就職しました。もう10年経ちましたね。今では自分がお店の中で一番口うるさい存在になっていると思います(笑)」とのこと。当時から店舗の魅力は口コミで広く伝わっていたようです。
なお、地域にも馴染み深いお店になっているのだとか。
「近所の人がタイヤ交換関係なく雑談しに来ることもあります。普通にお店を開けたら寄って話しかけてくれたりと、結構地域との交流がありますね。タイヤ交換しに来たことがない人もいて、最近だとバイクが大好きな5歳くらいの男の子がお母さんと一緒に遊びにきたりします。ベンチに座ってバイク見たり雑誌を読んだり、いろんな人がいる不思議なお店です(笑)」
コーヒー1杯飲んでる間に終わる、作業の早さ
スピードスターは作業の早さも魅力の一つ。これについて田代さんは「作業時間は早いと思います。混雑していない時だと、大きいオートバイであったとしてもコーヒー1杯飲んでる間に、またはタバコ1本吸ってる間に終わる場合もありますね」と話します。実際、今回の取材時にスズキのGSX1300Rのタイヤ交換をお願いしたところ作業は30分ほどで完了。一連の流れがスムーズかつ丁寧でした。
作業量については、「繁忙期だと1日に30台以上タイヤ交換をすることもありますね。時間が巻けるものは1時間で3〜4台いけることもありますが、平均すると1時間に2台のペースで作業しています。ピークの時間帯としては朝が一番混みます。開店が9時半なのですが、土日や忙しい時期は8時ぐらいからお客様が来てくれていて、早めに受付を始めることもあります。実際に作業を始める9時前の時点で待ち時間が4〜5時間になってることもあります」とのこと。
なお、スピードスターは事前予約制ではなく、先着順に対応していくスタイル。これについて田代さんは「タイヤを外してみたらブレーキパッドがなかったり、ホイールのベアリングも交換しないといけなかったりと、追加作業が発生することが多くあります。これによって作業時間が押してしまう可能性が高いので予約制にはしてないです。お客様への対応としては、追加作業がありそうな場合はあらかじめ実際の待ち時間プラス追加の時間を予想してお伝えしています。また、事前予約は受け付けていませんが、受付をして2時間後に作業入れますという場合は、2時間後にまた来てもらうという対応は行なっています」と、一台一台への作業に集中して取り組むという姿勢が感じられます。タイヤ交換をお願いする際には空いている時間を狙って行くと良いでしょう。
価格以上に丁寧な対応
GSX1300Rのタイヤ交換を待つ際、隣で作業していたスタッフの方がお渡し前にスタンドに潤滑剤をつけていたりと細かい気遣いが印象的でした。これはお店として心がけていることだと言います。
「タイヤの価格自体は他のショップさんと横並びかもしれないですが、専門店と比べると安い方だと思います。ただ、価格が安いからといって雑な作業をしたり、安いからこれはやらないということはありません。整備時に確認できるところは全て見て、もしご依頼いただいた部分以外で整備が必要なところを見つけたらお伝えしています。また、丁寧に対応することはスタッフ全員に口酸っぱく指導しています。例えばスタンドに潤滑剤をスプレーしたり、タイヤ交換に関係のない作業の時でも空気圧の点検は行います。あとはミラーが汚れていたら拭いたり……作業の丁寧さはもちろん、細かい部分にも気を遣っています」
また、タイヤ販売の際も同じく丁寧さを心がけているそう。
「注文を受けたタイヤがライダーの使用用途に合っていないものだった場合、ライダーの用途を聞きつつ、最適な製品も提案します。もちろん値段重視の方もいると思いますが、価格が高めでも長持ちするものやグリップ力が良いものなど、知識を生かした提案をさせていただいてます。用途が違ったら意味がないので、最適なものを使っていただきたいです」
待ち時間はスピスタカフェへ
SPEED☆STAR Cafe
住所:東京都世田谷区世田谷1-47-7
TEL:03-6432-6362
営業時間:平日8:30〜20:00(水曜定休)、日・祭日8:00〜19:00
タイヤ交換の作業時間が早いとはいえ、待っている間何をしよう……。と思う方も多いでしょう。スピードスターの店舗裏には、同店が運営するカフェがあります。こちらはタイヤ交換の待ち時間を過ごすための場所として作られたそうです。
「オープン当時に倉庫の一部を待ち合いスペースにしていて、現在はそこをさらに広げてカフェとして開いています。タイヤ交換する間の待ち時間を過ごす場所を作りたいなと思ったのがきっかけですが、最近ではカフェ利用を目的にして来る方も多いです。動物も店内に入れるので、ペットを連れて寄る地域の方も多いです。あとは、ツーリングの集合場所にもなっていたりと、お店を利用する方やバイクに乗る人たちにとって良いスペースになってくれてると思います」(田代)
店内は作業場と同様アメリカンテイスト。メニューも種類が豊富で、どのメニューも人気があると言います。
「自分のお店だから持ち上げるわけではなく、本当に、びっくりするくらい全部のメニューが人気ですね。オムライスやハンバーグ、パスタもあれば、とんかつなど定食もあったり、メニューの種類が豊富なので、来るたびに違うものを頼んでくれる人も多いです。また、量が多いのも特徴です。中でも俺様ランチは普通の量で他店の大盛りくらいの量があり、そこから無料で大盛りにもできます。実際に、タイヤ交換が終わったことを知らせに来たら、お腹いっぱいなので少し休んでからでも良いですかと言ってくれる方もいます。さらに、デザートもたくさんあって、パンケーキ、パフェ、ケーキなど充実しています。ドリンクも、コーヒー・紅茶・ジュース・お酒など……タイヤショップと同じで、なんでもあります(笑)。何食べたいかわからないけどお腹すいたなあとか、お腹いっぱいになりたいなという時に来ると満足して帰ることができると思います」(田代)
今回取材をして、スピードスターはオーナーのバイクへの興味や知識の幅広さ、スタッフの方々による心遣いが溢れていると感じました。バイクの足回りのメンテナンスに困っている方はぜひ足を運んでみてください。