1月27日(土)、アメリカのカリフォルニア州にあるエンゼルススタジアムにて、AMAスーパークロス選手権第4戦アナハイム2が開催されました。
今回のアナハイム2はトリプルクラウン。450は12分+1周、250は10分+1周といつもより短めのレースが3回行われます。前戦のマディレースの後「そろそろ晴れてくれ笑」とSNSで呟いていたTeam Honda HRCから250SX WESTに参戦する下田丈。開幕戦のアナハイム1ぶりのドライコンディションのレースだけに期待が高まります。
下田は、タイムアタック形式の予選を総合3番手で終え、中央イン寄りからレース1をスタートします。スタートはまずまずに見えましたが、ファーストコーナーへの飛び込みの際インにいたライダーらに阻まれたことで良いラインが取れず、20番手前後で1コーナーを抜けていきます。
後方から追い上げの展開となりましたが、残り7分のところで同じくスタートに失敗したジョードン・スミスにリズムセクションのジャンプで絡まれクラッシュ。すぐに立て直してコースに復帰したものの順位は最後尾まで落ちており、厳しいレース展開となりました。短いレース時間の中で必死に順位を上げていき、レース1は9位フィニッシュ。優勝はホールショットからトップを走り続けたリーヴァイ・キッチン、2位にはレース終盤キッチンを追い詰めたRJ・ハンプシャー、3位にはネイト・スラッシャーが入りました。
レース2では下田はレース1よりイン側のグリッドを選択。スタートは良かったものの、今度は1コーナー手前で前のライダーが転倒したことでコーナーに飛び込めず、またも20番手前後からの追い上げを余儀なくされます。また、ポイントリーダーのスミスとレース1で表彰台を獲得したスラッシャーも序盤で転倒し、レースは波乱の幕開けとなります。
そんな中ホールショットを獲ったのはフィリップ・ニコレッティ。そこにハンプシャー、キッチンが続き、レース中盤にはその2台がニコレッティを抜いてトップに躍り出ます。下田は好ペースで次々にライダーをパスしていき、ファイナルラップには3番手のニコレッティの後ろにつくと、勢いづいたままパスして3位でゴール。今季初のポディウムフィニッシュを果たしました。トップを走るハンプシャーとキッチンの2台もラストラップで激しいバトルを展開しましたが、キッチンの猛追を振り切ったハンプシャーに軍配が上がりました。
レース3では、下田はスタートでややごたついたものの、8番手前後でファーストコーナーを抜けると、アンソニー・ボードン、ガレット・マーチバンクス、ハンプシャーらと3番手集団を形成し、そこからハンプシャーと2台で抜け出していきます。残り3分のところで下田に迫っていたハンプシャーがフープスで単独クラッシュし、下田のトップ3は堅いものとなります。
トップに目を向けると、キッチンがホールショットを獲得しますが、2番手にいたスラッシャーが序盤からペースを上げていき、先頭を独走し始めます。キッチンはそこから3秒ほど遅れたところを走行していましたが、計時終了後に下田が後ろにピタリとつきキッチンをパス、そのままキッチンを引き離して2位でゴールし、9-3-2の総合4位でトリプルクラウンを終えました。レース3の優勝はスラッシャー、総合優勝は1-2-3と3レース全てでトップ3に入ったキッチンが獲得しました。総合2位には2-1-7でハンプシャー、3位には3-10-1で下田と同ポイントではあるもののレース3で優勝したスラッシャーが入りました。
450のレース1は、スタートを決めたチェイス・セクストンが独走優勝。2位にはクーパー・ウェブ、3位にはジェイソン・アンダーソンとのバトルを制したケン・ロクスンが入りました。昨年のSMXチャンピオンであるジェット・ローレンスはレース序盤に転倒してほぼ最下位からスタートしましたが、そこから着実に順位を上げていき7位でゴール。
レース2では2023年MXGP王者のホルヘ・プラドがホールショットを獲得しましたが、その後ろから迫るウェブ、アンダーソン、アーロン・プレシンガーがすぐにプラドをパスしていきます。序盤からウェブとアンダーソンがトップ争いを繰り広げ、アンダーソンが抜け出すとそのまま独走して優勝を果たしました。2位はウェブ、3位は計時終了後にポイントリーダーのプレシンガーをパスしたジェット・ローレンスでした。
レース3ではビンス・フリーズがホールショットを獲りますが、同じく好スタートを切ったイーライ・トマックがすぐにトップに立ち、独走を始めます。後ろではセクストン、プレシンガー、ジェット・ローレンスらが集団となり2番手争いを展開。ジェット・ローレンスがそこを制して集団から抜け出しますが、最終ラップで転倒して4位まで下がり、ポディウムを逃しました。
優勝は序盤からトップを走り続けたトマック、2位はセクストン、3位はプレシンガーでした。総合順位では2-2-5でウェブが優勝し、2位には5-7-1のトマック、3位には6-4-3のプレシンガーが入りました。
次週2月3日(土)に開催される第5戦は、250SX EASTの開幕戦で、下田が出場する250SX WESTは2月11日(土)の第6戦まで2週間インターバルがあります。