ダートフリークのプライベートブランドであるフラットラボから、またしてもマニアックな商品が爆誕。オフロードバイクにつきものの「泥汚れ」をさっと落としてくれるという
泥汚れはウエアを侵食する
オフロードウエアほど泥にまみれるスポーツウエアも無いかもしれない(思いつくところではラグビーくらい?)。編集部内に二層式の洗濯機を持っているほど、ハードにウエア類を汚しては洗濯する毎日を過ごす我々としても、いろんな洗剤をこれまで試してきた。実感としてよく泥が落ちるな、と感じているのは昔ながらの花王アタックである。汚れた体操服を明日までに白くしなければいけないお母さんの要望に応えるためなのか、性能に妥協がない。汎用性が高いから、いろんなものを一緒に洗えちゃうのも嬉しいところだ。国民のほとんどが使う洗濯用洗剤は、とてつもない開発費をかけて覇権を争ってきているのだろう。ちょっと洗濯を知っている人なら、ウタマロもよくご存じのはず。部分汚れにはウタマロをこすりつけて落とすといい。
そんなアタックでさえ、オフロードバイク用ウエアのマディの日の泥汚れは完全には落とすのは難しい。単に泥水を浴びた体操服とは違って、シートやバイクにこすりつけられることによってウエアの繊維に侵食しているからだ。散弾銃のように前のバイクから発射される泥は、勢いをもってウエアの繊維の隙間に入り込んでいく。それがエンデューロともなると数時間続くのだ。繊維にとってこれほど過酷な泥汚れは、無いのではないだろうか。
Flat-LAB.
GEAR WASH PRO
¥1,980 (税込)
内容量: 500g
そんなオフロードバイクウエアの泥対策専用に開発された洗剤が、このフラットラボのギアウォッシュだ。ひどい泥汚れで試して見ねばなるまい。
最悪の日、みいつけた
Off1編集部としては、マジもんのマディの汚れでテストすべく来る日も来る日もマディで走る機会を待ち続けていたのだが、ついに1月21日のWEXイースト開幕戦で激マディがやってきた。前日からザーザー降りでオフロードヴィレッジに水がたっぷりしみ込み、90分のレースでは126台ものオフロードバイクが泥を耕した。ボクのヨンゴーも、遠慮無くマディタイヤで泥をかっぽじり、こねくり回し続けた。
昨年も着ていたFOXのウエア360は黄色い部分も多く、泥汚れを分かりやすくため込むのに適役だ。上にはDFGのレインジャケットを着ていたため、ジャージにはそれほど泥が付着していない。実にリアルな汚れ具合だと言える。
最も酷い部分は、パンツのモモ部分。繊維に対して、オフロードヴィレッジの泥を塗り込んだようになっている。ちょっと絶望的な汚れ方である。野球部ユニフォームの汚れについて研究した技術レター(明歩谷英樹、ユニフォーム上の汚れ発生メカニズムに関する研究)によると、炭素・酸素・アルミニウム・鉄・ケイ素が泥汚れからは検出され、それらが繊維のフィラメント内まで入り込んでいる可能性がある、とされている。実に納得のいく話だ。モトクロスコースの泥は、それに加えてウッドチップが混ざっていて有機物も多分に含んでいるはず。
説明書にある通りの分量をぬるま湯を張ったバケツの中に投入し、ウエアをもみ洗いする。これを事前にやっておかなければ、家の洗濯機に投入するための奥さんの同意は得られまい。年がら年中、泥まみれのウエアを洗濯している編集部の洗濯機は、何を洗ってもどこか砂っぽい。そういうとこだぞ!
腰部分はもみ洗いしたところ。腿から下はもみ洗いしていないところ。ここまで違いが出る。もみ洗いをすることで有効成分である界面活性剤が繊維に浸透し、泥をかきだしてくれる。あとはこのまま1時間ほどつけ置き、ぬるま湯ですすぎ、泥があまりない状態なので奥さんに許可をもらって洗濯機でギアウォッシュを使って洗濯する。柔軟剤はレノアのスポーツウエア用がオススメだ。汗の臭いをしっかりカバーしてくれる。
どうですこの見事な仕上がり。マディで走ったウエアとは思えないほど、びしっとキレイになった。ウタマロも確かに落ちるのだけれど、ウエア全体をウタマロで洗うのも大変だ。高圧洗浄機で泥を強制的に落とすという手もあるけれど、レース会場に敷設されている洗車場ではきれいな場所でガンの水流を当てられないし、繊維も傷んでしまう。きれいになるかならないか、だけでなく洗濯ワークフローの手軽さからしても、このギアウォッシュは優秀だと思う。
なお、編集部イナガキは肌が弱いのだけれど、ギアウォッシュで洗ったウエアが肌トラブルを引き起こすこともまったくないことをお伝えしておこう。