オフロードバイクファンの僕らはもちろん、エンジンがついてる乗り物は総じて好きなものですよね。ジェットスキーやスノーモービル、ATV(All Terrain Vehicle:全地形対応車の略)など2輪以外の乗り物だって大好物なんです。この度、カワサキから新発売されたATVシリーズに試乗することができました。
ラインナップは3種類。写真の左から順に排気量が271cc→90cc→50ccとなっています。
KAWASAKI
BRUTE FORCE 300
¥880,000(税込)
KAWASAKI
KFX90
¥506,000(税込)
KAWASAKI
KFX50
¥462,000(税込)
フラットなダートコースで全ラインナップを試乗させてもらいました。操作は基本的にスノーモービルなどと同じで、右手親指でスロットルレバーを押し込むタイプ。ブレーキは左右レバー。当然車体を傾けて曲がることはできないので、曲がりたい方向にハンドルを切って曲がります。
KFX50の対象年齢は6歳以上。オフロードバイクにある程度親しんだ大人目線で簡単にインプレッションすると、4ストローク50ccだけあってフルスロットルでも怖くなく、全開のままでコーナーを曲がることができます。直線ではもう少しスピードが出てもいいのにな、と思いますが、キッズが遊ぶにはむしろこれくらいがちょうどいいのかも。
スロットルには物理的なセキュリティが設けられていて、全開時のスピードをコントロールすることができます。子供の成長に合わせて解除可能。
エンジンは空冷4ストロークSOHC単気筒。セルスターターとキックスターターを装備しています。ミッションはCTV(オートマチックトランスミッション)。
セキュリティ機能がもう一つ。こちらのマグネット式イグニッションキルスイッチを腰などに結んでおけば、転倒時に車体から投げ出された時に自動的にエンジンが停止し、マシンの暴走を防ぐことができます。トライアルマシンでも見られる手法ですね。
ブレーキは前ドラムブレーキ、後にはディスクブレーキを装備しており、制動力はしっかりしていました。
KFX90は車体は50と同じでタイヤが少し太くなっており、排気量分パワーが増しています。こちらは対象年齢10歳以上となっており、はっきり言って大人が乗ってもめちゃくちゃ面白いです。50ccよりもかなりパワーがあり、フルスロットルのままコーナーに入って曲がろうとするとGで身体がアウトに持っていかれ、横転しそうになります。そうならないために重心をインにキープし、リアタイヤを滑らせながら曲がっていく感じ。
4輪なのでタイヤが滑った時の感覚がわかりやすく、安心感もあるため「もう少し滑らせてみよう」とアクセルを開け足すこともできます。3車種とも試乗コースを1周ずつ、と思っていたのですが、このKFX90はとても面白かったため、結局6周くらい走って堪能させてもらいました。
欲しい……。JNCCとか撮影する時にこれ一台あるとめちゃくちゃ便利そうです。
フットレストはブーツのソールがしっかりグリップするようにラバーが配置されていて、踏ん張りやすい設計。
シートはフカフカでずっと座っていてもお尻は痛くなりません。オフロードなのでスタンディングが基本かと思いきや、ジャンプとかしない限りはシッティングの方が安定するそうです。
KFX90のリアタイヤ。マキシス製でした。
一台だけサイズ感が全然違うBRUTE FORCE 300はファンライドだけでなく、林業などの現場での使用も考慮されているそう。
前後に大型キャリアも装備されていてたくさん積載できそうです。フロントキャリアの下のコンパートメントボックスには500mlのペットボトルが4本収納可能。
エンジンは271cc水冷4ストロークSOHC単気筒。パワーがありすぎて乗りにくいということはありませんが、怖くてフルスロットルにはできませんでした。低速でドコドコ走るので、KFX50/90で遊ぶキッズたちを見守りつつ、お弁当やドリンクを運ぶお父さん役という感じ。
ギヤは上からロー、ハイ、ニュートラル、リバース。そうなんです。コイツ、バックもできます。
シガーソケット装備で電源が確保されているため、オンボードカメラを搭載しての撮影も容易。
カワサキモータースジャパン営業統括部RV部の小原氏によると「キッズがオフロードビークルに親しむ機会を増やしたいという思いから取り扱いを開始しました。このATVからオフロードバイクやジェットスキー、オフロード4輪車へとステップアップしていって欲しいと思っています」と語る。