丹羽が110ccでも魅せる、ファースト65クラス
ファースト65クラスでは、MOTO-Eクラスで優勝を重ねる丹羽群青(#93)が、エンジンバイクでもそのポテンシャルの高さを発揮し、他ライダーを圧倒していきます。
丹羽は両ヒートともに1周目からトップに立つと、後方との差を広げていき単独走行に。4ストローク110ccのマシンを駆る丹羽は、2ストローク65ccのマシンと比べると決して有利とは言えません。しかし、ヨツバモトで培ったスムーズなライディングでトップを快走し圧勝。電動バイクとエンジンバイク、特性や乗り方が全く異なる2つのマシンを乗りこなすポテンシャルの高さを見せつけました。
一方、松井嶺央将(#66)と片山太郎(#86)が2番手を巡りバトルを展開していきます。ヒート1はスタートで片山が前に出て、松井が追い上げる展開。周を重ねるごとに松井は片山との距離を縮めますが、あと少しというところで転倒し、片山が2番手でゴールします。ヒート2では立場が逆転。松井が好スタートを決め2番手に立つと、そのまま片山との差を広げていきます。その差はなかなか縮まらず、結果松井が2番手でゴールし、片山との勝負を制しました。
また、ファースト65クラスでは前田光琉(#78)が見事な追い上げを見せます。ヒート1とヒート2ともに転倒やマシントラブルが見られた前田ですが、転倒でめげることなく、両ヒートとも着実に追い上げていきます。ヒート1では最終ラップで4番手まで浮上。惜しくも表彰台には届かなかったものの、大会を重ねるごとに順位を上げてきている前田の活躍に今後も注目です。
「丹羽選手は超スムーズですね。110ccは瞬発的なパワーがないのですが、リアタイヤを滑らさずに、綺麗にコーナーを曲がることでそのパワーのなさを補っていて、すごいなと注目していました」
4人のトップ争いに目が離せない。スーパー65クラス
スーパー65クラスのポイントランキングを見ると、第4戦終了時点で巽太壱(#60)が165ポイントで1位、2位には小磯銀士(#10)が40ポイント差でつけており、2人が抜き出た存在となっています。しかし、前大会で全ヒート優勝を飾った齋藤極(#4)や、2022年スーパー50クラスチャンピオンの大久保英飛(#8)が今季初参戦するなど、トップ争いは混戦を極めました。
ヒート1は、齋藤が好スタートを決めホールショットを獲得。続いて巽と大久保が齋藤を追う展開となりました。3者のトップ争いが拮抗する中、巽が前に抜け出し1周目をトップで通過。続く大久保は巽との差を徐々に詰めていくと、レース中盤でトップに浮上。そのまま後方を離していき、独走状態に持ち込みます。一方、2番手を走る巽はレース終盤で転倒し、4番手に後退。これにより3番手を走行していた齋藤が2番手に、5番手から追い上げを見せていた水谷倫都が3番手に順位を上げていき、1位大久保、2位齋藤、3位水谷という結果となりました。
続くヒート2は序盤から大久保がトップを快走。2番手につけた齋藤が大久保を追いかけていきますが、大久保はさらにペースを上げていき、2周目には齋藤と8秒の差をつけて単独走行になります。一方、小磯と巽が3番手を巡りバトルを展開。小磯が巽を抑えますが、巽もラインを変えながら攻めていきます。結果、巽が小磯をかわし3番手に浮上し、攻防戦を制しました。
大久保のリードが続く中で迎えたヒート3。巽がホールショットを獲得しますが、2周目に大久保が巽をかわしてトップに躍り出ます。さらに続けて齋藤が巽に迫り、ジャンプでは横並びになる接戦に。大久保、齋藤、巽という順でレースが進み、このまま大久保が逃げ切るかと思われました。しかしレース中盤に大久保がクラッシュ。4番手まで順位を下げてしまいます。齋藤はこのチャンスを掴み、トップでゴール。2番手には巽、3番手には5番手からの追い上げを見せた三輪一郎(#30)が入り、3ヒートとも2位以上という結果を収めた齋藤が総合優勝を果たしました。
「大久保選手、齋藤選手、巽選手のトップ争いが本当に良いバトルで、それぞれの成長を感じました。齋藤選手は転倒もありましたが、全て2位以上という結果にまとめていて、その安定感が総合優勝に繋がったんだと思います」