前日の雨の影響を考慮し午後から開催された第4戦。マディからドライに変わる路面状況に翻弄される中、優勝を手に入れるのは誰か……

2023 44キッズクロス第4戦
日時:2023年4月16日(日)
会場:いなべモータースポーツランド(三重県)

例によって前日に雨予報。大会は中止かと思われましたが、当日の晴れ予報を信じてレースを開催。午前中にコース整備を行い、スタートは午後からという柔軟な対応でレースが進行していきました。今大会の開催クラスは、スーパーMOTO-E/ファースト50/スーパー50/リミテッド50/ファースト65/スーパー65/85・150の7つ。練習走行はまだ少しぬかるみが残り、各クラス足を取られ転倒するライダーが多く見られましたが、夕方にはベストコンディション。各ヒートで異なる路面状況への対応力が求められました。

マディからドライまで走り切る、ライダーたちの写真はこちら↑

激しいトップ争いで丹羽のテクニックが光る、スーパーMOTO-Eクラス

広野康輝(#122)、丹羽群青(#99)

スーパーMOTO-Eクラスは広野康輝がスタートで飛び出しトップを走行。前年王者の丹羽群青は2番手につけ、広野を追う展開となりました。丹羽がラインを変えながら広野に迫っていきますが、広野も負けじと丹羽を抑える走りを見せます。攻防戦が続いたレース中盤、丹羽がアウトから仕掛け、広野と並び接戦に。しかし、広野がインから抑えるかというところで転倒。丹羽にトップを譲るかたちとなりました。丹羽はそのままトップを守り切りゴール。焦らず、攻めるタイミングを伺いながら走る様子に余裕さえ感じられました。

広野あかり(#121)

続くヒート2も広野康輝がホールショットを決め、丹羽が追う展開に。抜きつ抜かれつの接戦でトップ争いが白熱していく中、丹羽が一瞬の隙をついてトップに浮上。そこから丹羽はさらにペースアップし、独走状態に持ち込みます。一方、2番手を走る広野康輝の後方からは、姉である広野あかりが迫ってきます。周を重ねるごとに差は縮まり、最後は広野あかりがインをついて華麗にパス。2番手を巡る姉弟対決は、姉のあかりが制しました。

なお、去年はトップの丹羽と2番手とのタイム差が大きく離れていましたが、今大会のラップタイムを見ると丹羽と広野らのラップタイムに大差はありません。しかし、スピードの乗せ方やライン取りなど、全体的に速さを生み出す丹羽のライディングにはそう簡単に崩すことのできない強さが感じられます。

また、今大会のサイドコンテンツは「ステアケースコンテスト」! 会場に用意された段差を登り切れたら成功とするもので、足をついてもOKなルール。徐々にきっかけとなるスロープやブロックを無くしていき、最後までクリアできたライダーが優勝となります。


始めはスロープとU字溝を設置した状態でスタート。その後スロープを無くし、U字溝をブロックに置き換え、ついにキッカケを無くし難易度を上げていきます。しかし、なかなか決着がつかず、みんなのレベルの高さに主催者も「やるなあ……」と驚いた様子。さらに難易度を上げ、キッカケなし、かつ助走を半分に短くしてトライ。かなり高度になったセクションにみんなが苦戦する中、丹羽は難なくクリア。この回で丹羽以外に成功したライダーがいなかったため、「ステアケースコンテスト」の優勝は丹羽に決定! マシンを華麗に乗りこなすテクニックの高さが光りました。

壁をこえろ!【ステアケースコンテスト】

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小島庸平のワンポイント・コメント!

「丹羽選手は追い上げるという状況の中でもスピードを落とさずラインを見極めていて、走りに余裕が感じられました。焦らず的確に判断していく力を持っているということは彼の強みですし、きっとこれまでレースで優勝してきた経験などが生かされていると思います」