バトルを通して芽生える闘志、50ccクラス

森川凛音選手(#55)

亀山蒼選手(#28)

ファースト50の参加台数は13台。今年から初参戦しているライダーも多く見られました。コースはスーパーMOTO-Eクラスと同様のショートカットコースで、スタートから1コーナーまでは上り坂のため、50ccのマシンにとってはいかにスピードを落とさず登っていくかがポイントとなりました。ヒート1、スタートで飛び出したのは森川凛音選手(#55)。続いて亀山蒼選手(#28)が2番手につけると、森川選手をロックオン。1周目で0.7秒差まで縮めていくと、2周目でトップに浮上し、森川選手を引き離しにかかります。しかし、森川選手も負けじと亀山選手についていきます。つかず離れずの距離を保ったまま迎えたラストラップ。亀山選手は森川選手のプレッシャーをしのぎ、トップでチェッカーを受けました。

瀧本瑛介選手(#91)

ヒート2は瀧本瑛介選手(#91)がトップで1周目を通過。そのままスピードを上げていき、他のライダーたちを離して独走状態に持ち込みます。一方、後方では奥野敬心選手(#29)が森川選手をパスして2番手に浮上します。しかし、翌周には森川選手が再び前へ。その後も両者の攻防戦が繰り広げられ、結果、瀧本選手、森川選手、奥野選手という順番でゴール。2ヒートとも2位を獲得した森川選手が総合優勝を獲得しました。安定した走りを見せた森川選手の活躍に今後も注目が集まります。

小島庸平のワンポイント・コメント!

13台と参加者が多い中で、優勝した森川選手は一番アクセルが開いていました。まだテクニックがなく、走りからコースを走る恐怖心も見えましたが、それでもアクセルを開けていて、上り坂での加速やスピードアップに繋がっていたと感じます。

齋藤稀選手(#23)

上位クラスとなるスーパー50は、一部のコーナーのみをカットしたショートカットコースで行われました。昨年ファースト50クラスを走っていたライダーがステップアップしていたり、スーパー50クラスのライダーが65ccに乗りかえていたり、ライダーの成長に合わせてクラス内の顔ぶれも一新。そんな中、2ヒートとも優勝を獲得したのが昨年のファースト50クラスチャンピオン齋藤稀選手(#23)です。周りのライダーを寄せ付けない開けっぷりの良い走りでスタートから独走状態へ。2番手のライダーと20秒差をつけるダントツの速さで堂々の1位に輝きました。

福家理仁選手(#51)

今大会、齋藤選手よりも前に出る好スタートを決めたのは福家理仁選手(#51)。スタートゲートが降りると同時に前に出る反応の良さと、1コーナーに向かっていく加速は周りのライダーよりも2歩ほど先に行く速さ。ヒート2では、同じく好スタートを決めたレンゴ選手(#33)と2番手争いを展開。お互い抜いては抜き返して、周回を重ねるごとに入れ替わる順位に思わず応援にも熱が入ります。結果は、福家選手がラストラップで抜き返し、2番手でフィニッシュ。競い合う中での強さも見せました。

小島庸平のワンポイント・コメント!

齋藤稀選手は身体が小さいながらアグレッシブに攻めていける走りをしていますね。コーナーの立ち上がりでしっかりとアクセルを開けていて、全体を通してスピードが速かったです。また、要所要所でしっかりと加速をしていたことが周りとの差に繋がったと思います。

外国メーカーの50ccと電動バイクで競うリミテッド50クラス。今大会も昨年と同様スーパー50クラスとの混合でレースが行われました。参加者3名以上でレースが成立というルールが設けられているため、小磯銀士選手(#10)と広野康輝選手(#59)のみとなった今大会ではシリーズポイントがつきませんが、スタートから50ccのエンジンバイクを置いていくほどの速さで、圧倒的な存在感を見せました。

小磯銀士選手(#10)

2ヒートともホールショットを決めたのは小磯選手。グングンと広野選手との差を広げていき、1周目から独走状態へ。1人だけ1周1分30秒台というタイムをマークする速さを見せつけました。ヒート1は8番手、ヒート2は9番手のライダーまで周回。昨年のリミテッド50クラス/ファースト65クラスの2冠を達成した実力が、今大会でも存分に発揮されました。

広野康輝選手(#59)

一方、広野選手も昨年からキッズクロスに参戦しているライダー。昨年は第3戦が行われたいなべモータースポーツランドで、フィニッシュジャンプを綺麗に飛び切り観客を盛り上げました。今大会ではさらにレベルアップした姿が見られ、多くのライダーが恐怖心から怯んでしまうジャンプや下り坂に怯えることなく、アクセルを開けていくメンタルの強さは、群を抜いていました。トップにはなれなかったものの、今後の成長にさらに期待が高まります。

小島庸平のワンポイント・コメント!

小磯選手はコーナーから加速して、全体的にスピードを落とさずスムーズに走っていることが速さに繋がっていると思います。また、2人ともジャンプを飛ぼうと果敢に攻めていたのが印象的でしたね。ジャンプでは広野選手の方が飛んでいて、チャレンジしていく姿勢はこれからも伸ばしていってほしいです。