ヤマハ発動機がモーターサイクルスポーツの未来を賭けた挑戦をまたひとつ実現、FIMトライアル世界選手権2022第5戦フランス大会に黒山健一選手の出場が決定しました。
黒山選手が出場するのはTrial2クラス。これまでは電動トライアルバイク専用のクラスTrial E CUPが設けられていましたが、今年からガソリン車と電動車の混走でレースが行われます。
使用する車両は「TY-E 2.0」。ヤマハが「環境計画2050」として2050年までに取り組むカーボンニュートラルの目標に対し、アプローチの一つして開発している電動トライアルバイクです。
黒山選手は2018年、2019年にも電動トライアルバイクでTrial E CUPに参戦しており、ランキング2位の実績を持っています。
黒山健一選手談
「TY-E 2.0は、カーボンニュートラルの実現に向けた技術開発だけでなく、レースを通じて開発することでEVに楽しさを加えようというヤマハ発動機らしいプロジェクトです。レース部門と開発部門が協力し合うプロジェクトですが、それぞれが経験と知識を総動員し、全員が同じ方向を向いて取り組んできました。私も開発ライダーとして関わってきましたが、その成果を確認するレースに出場できることが楽しみであり、とても誇りに思います。またこのプロジェクトは、ヤマハ発動機の未来だけでなく、モーターサイクルやレースの未来にも影響するものだと考えています。二輪ファンやヤマハファン、レースファンのためにという気持ちを持って臨み、開発を進める上での貴重なデータと課題をできるだけ多く持って帰りたいと思います」
初代「TY-E」をベースに開発された「TY-E 2.0」の電動モーターパワーユニットは、クラッチやフライホイールなどのメカニズムと、グリップの微細な変化を読み取ることができる電動モーター制御の組み合わせで、トラクション性能を向上させています。
新開発の高出力密度の大容量バッテリーは約20%の重量増でありながら旧モデルの約2.5倍の容量を実現しています。