AMAスーパークロスもすでに第3戦を消化。我らが下田丈は、第3戦サンディエゴにて今季最高位の5位をマークした。すでに優勝経験のある下田にとって…いやチャンピオンを目指す下田にとっての5位は、あからさまに不満の残る順位。どういうわけか、シーズン序盤は不運がついてまわる。次戦は、地元アナハイムⅡ。この2戦を下田の独占インタビューと共に振り返りつつ、中盤戦の動向を占いたい。

リアブレーキを失い、18位まで後退しても、5位まで浮上できる「強さ」

第3戦、サンディエゴはまさに不運の象徴だった。

250SX Main Event Highlights - San Diego 2022

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マイケル・モシマンが間接的な原因だ。アウト側からダイレクトなラインでホールショットを奪いに言ったモシマンは、イン側のハンター・ローレンスに被さる形に。ハンターはそれを避けてイン側へ。さらにイン側にいたクリスチャン・クレイグに接触、クレイグが下田にさらに接触という具合にマルチクラッシュが発生。原因を引き起こしたモシマン、そしてローレンスは集団から抜け出しており、レースをリードすることに。

クレイグは最後尾、下田は18番手からの立ち上がりとなってしまったのだった。

「スタートのタイミングは申し分ないし、悪くないスタートを切ったのですが、クラッシュは避けようがありませんでした。(クレイグが接触することが)見えていませんし。スタートで抜け出していれば、こういう巻き込まれかたをすることもないのでしょうが。

リアブレーキのレバーが曲がってしまっていて、ブレーキがかかったりかからなかったりする状況で追い上げていました。スーパークロスでは、ブレーキはどちらかといえばリアが大事ですね」と下田は言う。下田は、長年共に歩んでいるコーチ、ヤニングのトレーニングで、アマチュア時代からリアブレーキを使わないしばりで練習をしている。現代のオフロードバイクにおいて、特に重きをおかれるリアブレーキ。それに頼ること無く、下田は1分程度のコースで1秒落ちほどのペースを維持できる。いや、もしかするとサンディエゴではそれ以上のペースだったのかもしれない。「あぁ、たしかにあれは役に立っているのかもしれませんね」と下田は控えめに言う。