驚異のモトGPライダー
なにかと話題の多い2022年ダカールだが、前半戦でもっとも広く二輪ファンを歓喜させたのは、ダニロ・ペトルッチだろう。2012年のモトGPデビュー、2021年からテック3・KTM・ファクトリーレーシングへ移籍したモトGPのベテランが、このダカールに挑戦しているのは知られている事実。それも、一線級のスピードでステージ1Aを23位、1Bで13位とステージをおうごとに順応しはじめた。さらに、ステージ2で5位圏内までスピードアップ。すさまじい成長速度に目をみはったが、このステージ2で燃料ポンプを故障。さらに、携帯電話を紛失したことでチームとの連絡が付かず、マシン修復ならず。デイリタイアを喫した。
その後、11時間30分のペナルティを背負って、レースに復活。ペトルッチにとっては、ダカールの総合順位は狙えないものの、ステージで記録を残すことは許された状態。そこで、ステージ3では22位、ステージ4では15位…とジャンプアップしつづけ、いよいよステージ5ではなんとステージ優勝を手中に収めてしまった。
ペトルッチは「今日はかなり長い一日だった。ナビゲーションを勉強して上達したいと思ったので、最初はあまり無理をしなかったんだ。あるコーナーを抜けたところに大きな砂丘があって、その向こう側にラクダの集団がいた。大きなラクダが1頭コースに入ってきたので、それを避けなければならなかったのだが、結局クラッシュしてしまいました。これが今回のダカールでの最初のクラッシュだったよ。その後、少しペースを落としたら、ケビン・ベナバイズが追いついてきて、一緒にフィニッシュまで走った。面白くてタフな一日だったけど、本当に楽しかった」とコメント。
休息日を挟んで、レースは後半戦へ。入り乱れたリザルトは、どこで新たな展開をみせるのか。ホンダが突破口を開くとすれば、どのタイミングか。はたまた、第3勢力がさらに巻き返しをはかるのか、最後まで見逃せない年になった。