ギャップの形を利用して活かす
そして一言でギャップと言ってもさまざまな形があります。レース中に素早く路面状況やギャップの大きさ、形を判断し、攻略の糸口を見つけましょう。
①ギャップの小さいところを狙う
当然ですが、ギャップが大きいところよりも小さいところの方が車体のピッチングが少ないため、できるだけギャップの小さいラインを狙って走るのがスムーズです。上の写真で赤丸で囲ったところが一番大きなギャップなので、そこを避けて走れば良いのです。しかし、多くの場合において、この一番ギャップの大きいところは一番走りやすいラインであるため、ライン取りの工夫が求められます。
②斜めに走行してギャップを回避
人為的に作られたフープスとは違い、自然とできたギャップは綺麗な凸凹ではありません。そのため、よく見ると左右の山の高さが異なっており、うまくライン取りすることでギャップを回避することができることがあります。上の写真の赤線のようなラインを走ることでギャップの影響をほとんど受けずに通過することができます。
③ギャップを利用してジャンプする
スキー場などの柔らかい路面によくできる連続した大きめのギャップでは、そのギャップを利用してジャンプしてしまうのも有効な手段です。この時に注意したいのが、勢いで飛ぶのではなく、前後のサスペンションをしっかり使ってジャンプしないといけません。また、このタイミングを間違えると車体が安定せず危険を伴います。サスペンションを使ったジャンプテクについては、また別記事でお届けする予定ですので、参考にしてみてください。
④大きいギャップを利用してリアサスペンションを入れて減速させる
逆転の発想としてギャップの凸にリアタイヤを当てることで一気に減速し、コーナー進入に備えるというテクニックもあります。
「また、どうしてもギャップで車体が跳ね上げられてしまう時はクラッチを切ってエンジンの駆動をニュートラルにして跳ね上げを抑制するというテクニックもあります」と釘村選手。
ブレーキングギャップのいなし方のコツを動画で見る
いかがでしたでしょうか? 練習の綺麗なコースではうまくブレーキングできるけど、実際にレースに出てみるとうまくできない。そんな経験がある人は多いと思います。荒れた路面やギャップに柔軟に対応できるテクニックを身につけ、安全にバイクを楽しみましょう!
次回、第5弾では下り坂でのブレーキングや、その先のコーナー対策について教えてもらいます!
この記事はIRCタイヤ、井上ゴム工業株式会社様の協力をいただき、制作しています。