「股関節の自由度が高いのもお気に入りです」と鈴木。クライマーのウエアのようにしっかり股関節にもストレッチが効くわけだ。
ヒールクリッカーも、すっと足が上がってビタメイク。「つっぱり感、こういうときにないんですよ」と少し特殊な事情ではあるものの、アスリートとしてだけではなく、パフォーマーとしてもとてもナイス。
加えて特徴的な、レイヤードの構成。セブンのアイコン的な形で、コンプレッションウエアの上にノースリーブのオーバージャージを着る形だ。コンプレッションは動きやすいという範疇を超えていて、ほとんど肌感覚。肘をすりむくようなことは、気にしてはならない。すぐ破れてしまうのでは? という質問は、代理店の2G MOTOCROSSにも多いようだが、だいたいジャージで破けてしまうのは肘のあたり。つまりコンプレッションウエアだけだ。コンプレッションは5000円で取り替えが効くので、2~3枚そろえておいてもいい。オーバージャージ×コンプレションジャージ×パンツの組み合わせは、色違いでも成立するデザインなので、コーデを楽しめるのもゼロのメリットだ。
ちなみに、尖りきったレーシングウエアだけ出しているわけではなく、鈴木が着用しているグローブは冬に便利な厚手のもの。指先がうごきづらい真冬のトレーニングや、はたまた極厚なグローブまでは不要なグリップヒーター搭載のトレールなどにもいいかもしれない。
seven
COLD WEATHER GLOVE ¥5,000
増量中でお腹の出具合が気になる稲垣も、ゼロを試してみた。サイジングはL・L・32なんだけど、たぶんオーバージャージはSやMでぴたっと着たほうがしっくりくると思う。胴回りというよりは、肩幅を合わせたい。で、お腹は意外と目立たない。コンプレッションでぴたっとしているけど、オーバージャージに余裕があるからうまく隠せるスンポーだ。
実走してみるまでもなく、なによりもパンツの軽さ・柔らかさは特筆ものだった。足を通した瞬間、いや、ウエアを持った瞬間に軽いことがわかる。外見からはわかりづらいかもしれないが、若干太めの作りになっていて、ニーブレイスとのひっかかりはほぼゼロ。臀部はたるみが出るレベルで余るので、身体ができているライダーは特に重宝するハズ。
4本ほど冬のモトクロスビレッジ(埼玉県)を走ってみたが、初級レベルでもその運動性の良さは実感できる。鈴木がコメントするように、股関節がスムーズにまがるのがいい。僕は股関節の柔軟性がないほうなんだけど、コーナーのイン側に足(腿)を出す高さが、普段よりも上がっているのがよくわかるほど。「なんか、足を高く上げられない」という悩みを持つライダーはウエアを換えてみるのも手かもしれない。