21シーズンをふりかえって
「なかなか思うように結果が出ず…シーズン通して悪くはなかったのですが、自分の目標は達成できない年になってしまいました。もがき苦しんだシーズンでしたね。ただ、開発しながらレースをするというのは、僕にとって初めてのことで、とてもいい経験になったと思っています。今後のライダー人世にとって大きな意味をもっていると思います。勉強になりました。自分のマシン作りをしていく上で、その難しさや、ポイントを知ることができましたね。
バイクは、自分にとってとにかく乗りやすい方向にはなったと思います。ただ、シーズンが終わって思うのは、それだけではダメだということです。時に、武器になるようなパワーがないと、ライバルに太刀打ちできないところがある。パワーが出ていて、なおかつ乗りやすいバイクを作る、というのはかなり難しいことではあるんですけどね」と大塚は言う。
開発の石浦は「研究途中のものを、実戦に投入して開発を進めていくスタイルだから、僕たちとしては完成品をわたしているわけではありません。そういう中での、去年同様のランキング7位というのは、開発としては悪くはない結果だと考えています。今年のデータ蓄積をもって、来年さらに上を目指して戦っていきたいという気持ちは強くありますね。勝負できる年があれば、と思っていますね」とはなしてくれた。元々、石浦をライダーとして発足したGOSHI Racingのレース活動は、今季さらに石浦が開発に集中したこともあって、大きく前進したものと言えるだろう。昨年までの、ざっくりいってしまえば「パワーがあれば、勝利に近づく」250ccクラスとはまるで違う。いかにマシンを制御しつつ、さらに前にマシンをおしすすめ、勝利を得るか。そこにはレース哲学や、科学が介在するシーンがある。
成長中の開発チームと、ライダー大塚が、さらに前進して2022シーズンを迎えることを、願ってやまない。