全日本エンデューロ選手権で4度チャンピオンを獲得、日本人唯一のISDEゴールドメダリストである釘村忠選手が、初級〜中級エンデューロライダーに向けてライディングテクニックを教えてくれるシリーズをOff1.jpにて開始!

ブレーキング時のニーグリップに注意!

ブレーキをかけるときにとても大切なのが、やはりニーグリップです。

「多くの人が、ブレーキング時に疎かになりがちなのが、ニーグリップです。ブレーキをかけるとバイクが減速しますので、身体には前方向への力が加わります。そこで身体が前に行ってしまうと、リアサスを抑える力が減ってしまいます。すると、リアタイヤのグリップが失われ、リアブレーキの効きが弱くなってしまうんです。ブレーキング時にはニーグリップをしっかり意識することが大切です」

バイクにはフレーム幅が一番細くなっているポイントがあり、そこが最もニーグリップしやすい位置だと釘村選手は言います。

「基本的にはステップの真上なのですが、バイクによって多少異なる場合があるんです。スタンドなどに載せた状態でスタンディングして、ハンドルから手を離してみてください。そのまま、膝から上を前から後ろへ、後ろから前でゆっくり移行してみると、ある場所で足がすっぽりハマり、身体をしっかり固定できる場所が見つかります。ここがニーグリップが一番安定するところで、バイクの上でスクワットも簡単にできるようになります。自分のバイクで試して、このポイントを見つけ、覚えておきましょう」

また、フロントブレーキの操作はできるだけ1本指を推奨します。これはブレーキレバーの細かい操作を可能にするためと、ハンドルを握る手に余計な力を入れないためです。

ブレーキを「引きずる」ことでグリップ力を向上!

また、さらに高等テクニックとして釘村選手が教えてくれたのが、コーナリング中にブレーキを引きずることでタイヤのグリップを向上させるテクニックです。コーナー手前でブレーキングした後、完全にブレーキをリリースせず、そのまま少し握り(踏み)続けておきます。

「ブレーキをかけるとタイヤが潰れてグリップが増すのですが、コーナリング中もブレーキを引きずることでタイヤのグリップが保たれ、安定して走ることができます。旋回中のイメージとしてはアクセルが40%に対してブレーキ20%くらいの感覚で、大事なのはリアをロックさせないこと。ブレーキペダルの遊びを多くとったり、ブレーキディスクをコントロール性の良い物に変えたりすると操作性が向上しますよ。特にフロントは効果を実感しやすいので、ぜひ試してみてください」と釘村選手。