あれは約3年前、2018年11月18日のことだった。群馬県日野カントリーオフロードランドで開催された日野ハードエンデューロ(G-NET2018最終戦)の、今ではもう使われていないG-NET最終セクション「Finish Hill」(現在の「ヤブ坂」の隣あたり)の頂上で、高橋博と山本礼人による壮絶なチャンピオン争いがあった。最後の坂を先に登った方がチャンピオンというシーンだ。結局、その戦いは高橋博が制し、2020年怪我により欠場するまで、高橋の黄金時代は続いた。

スタート直後に突然現れたセクション「穴」

土曜日にしっかりと下見を行ったライダーは、一夜明けて日曜の朝、スタート地点をみて驚いた。なんと、スタートしてすぐの、なんの変哲もなかったフラットなコーナーだったところに大穴が空いているのだ。

まるで「重機で耕されたかだけかのような」このセクション、もちろん重機で耕しただけだ。ラインとしては写真右奥のマーシャルが立っているところから、青いジャンパーを着ている原田が立っている方向へ抜ける。

主催の栗田武も「これ、やりすぎじゃないの?」と思わず漏らしてしまった出来立てホヤホヤのセクションを、スタート前に試走。

いざ、スタート。
右からインをついたのは鈴木健二。アウトを選んだのは山本礼人。中央は大塚正恒だ。

一番に穴を抜けたのは鈴木。続いて大塚。そして木村つかさ。アウトを選んだ山本はスタックを喫し大きく出遅れてしまう。

1列目ラストは原田とメイドちゃん。原田はエンジンがかからず遅れてしまったとのこと。メイドちゃんはまさか衣装を汚さないために空くのを待ってた? オンロードのフルフェイスヘルメットで、ゴーグルじゃないから、土を被ったら終わりそう……。

2列目にはこの人、覆面ライダーZEROがいた。この人もモトクロスIA。