2020年モデルでフルモデルチェンジを果たしたBETAのエンデューロモデルは、次のフルモデルチェンジに向け、熟成を続けている。22モデルでは一部のモデルにダイヤフラムクラッチを採用し、クラッチフィーリングを大幅に改善。さらに2スト300のボアストローク変更や、4スト125のフルモデルチェンジなど、見逃せない話題が盛りだくさんだ。Off1.jpではISDEゴールドメダリストの釘村忠に試乗をお願いした。

インジェクション化して
フルモデルチェンジを遂げたRR4T125LC

BETA
RR4T125LC
¥682,000

次に注目したいのが、インジェクション化されたRR4T125LCだ。フルサイズの4ストローク125ccのトレールマシンとして希少なモデルだが、今回はフレームからエンジンまで含めたフルモデルチェンジが行われた。

エンジンはこれまでと同じモトーリ・ミナレリ製。「エンジンをかけた時の安定感は国産のインジェクションモデルにすごく近いです。一言で言うと、大人しくなった印象なのですが、決してパワーがなくなったわけではなくて、荒々しさがなくなった、という感じです。開ければちゃんと走ってくれる。また、サブフレームの上の部分がアルミから樹脂に変更されていて、剛性も増えていますね」とは門永氏。

なお、エンジンに呼応して排気系も変更が施されている。

ヘッドライドなど灯火類がLED化され、旧モデルで少し気になったフロント周りの重さが大幅に改善されている。

さらにこれまで両側に設定されていたラジエーターが片側のみに。左側にはレギュレーターやECUが格納されている。単純に片側になったのではなく、右側についたラジエーターの容量は旧モデルよりも拡大しており、電動ファンも標準装備されているため、必要十分な性能は維持している。

釘村は「実は旧モデルに乗ったことがないので、比較はできないのですが、初めてのオフロードバイクにとても良いと思います。ファンライドや林道ツーリングには、最適ですね」と評価。滑りやすいキャンバーターンでも、スタンディングのまま切り返していく釘村のライディングテクニックは、RR4T125LCでも健在。

僕の印象を言わせてもらうと、このRR4T125LCは旧モデルからとても優秀なトレールマシンで、ただ一つちょっと気になっていたのが、フロント周りの重さだった。それが今回のモデルチェンジで大幅に改善されたことで、初級者は安心して走れる、上級者ならとにかく開けていける、そんなマシンに進化したのではないだろうか。フレームや足回りもBETAのレーシングマインドを反映させたものが使われているから、4ストローク125ccのオフロードマシンとしては、これ以上ない仕上がりと言えるだろう。