KTM、ハスクバーナ、GASGASの2022年エンデューロモデルはさほど大きな変更点はなく、全体的にサスペンションのセッティングの見直しが行われるに留まった。だからこそ、敢えて今問いたい。いったいこの豊富すぎるラインナップから何を買うべきなのか…を!

驚くほどフレンドリー、でも物足りなさは感じない
初心者から上級者まで優しく包み込む、GASGAS

GASGASは日本のエンデューロ界でも古くから親しまれてきたスペインのメーカーだが、2020年にKTM傘下になってからは外観だけでなく「新生GASGAS」と呼ぶに相応しい性能を手に入れている。

GASGAS
EC250
¥1,168,000
水上が最も慣れ親しんでいる2ストローク250ccというカテゴリーで、GASGASを評価してもらう。2ストロークはこれと300ccのEC300の2ラインナップだ。

昨年から「GASGASはエンジンフィーリングがマイルドだ」という話は散見していた。しかししっかりと同じシチュエーションで乗り比べたわけではなく「なんとなくそう感じる」という噂程度の話だった。それが今回は、完全に証明された、と言っていいだろう。KTM、ハスクバーナと比べ、GASGASは明らかに異なっていた。

GASGAS
EC250F 
¥1,238,000
4ストロークモデルは250ccと350ccのやはり2ラインナップ。2ストローク、4ストロークともにKTMよりも少し安い価格設定になっている。

「こうしてKTM、ハスクバーナと乗り比べてみると、明らかにGASGASだけマイルドですね。誤解のないように言うと、パワーがないわけではありません。優しくて、フレンドリー。でも、開ければしっかりパワーがあります。車体の方もこのエンジン特性とマッチしていて、サスペンションの動きも柔らかくて疲れにくいですね。あとシート高が明らかに低い。スペック上の数値は同じなんですが、体感でKTMよりも1.5cmくらいは低く感じます。僕はKTMをローダウンして乗っていたんですが、この足つきの良さはハードエンデューロには向いてますね。あとハンドルが低い。それのせいでコンパクトに感じます。日本人向きと言っていいと思いますよ。これはエンデューロモデルだけでなく、モトクロッサーも同じでした。あとブレーキやクラッチレバーのタッチがKTMよりも柔らかいですね。マスターシリンダーのブランドが違います」と水上。

GASGASについてはすでに別記事をリリースしているが、水上のインプレも稲垣の感想とほぼ同じ。モデルに限らず、全体的に優しくて、フレンドリー。みんなで楽しくファンライドしたいというユーザーや、ハードエンデューロ用途にも使いやすそうだ。

GASGAS
TXT GP 250
¥1,062,000
GASGASといえば、エンデューロよりもトライアルを連想するライダーが多いだろう。BETAやSHERCOしかり、エンデューロとトライアルには密接な関わりがある。水上はトライアルも国内A級ライセンスを持つ。「(トライアルバイクに乗るのは)だいぶ久しぶり」と言うが、きっちりカメラ目線をいただいた。

ちなみに今回インプレを担当してくれた水上が務めるダートバイクZIMは、今月(2021年9月)からGASGASディーラーへと生まれ変わった。近々、真っ赤になった姿をお披露目してくれるだろう。