ではいよいよ走りのお話です。
「オフロードプラス」モードに感動
ハーレーさん、わかってらっしゃる!
まずはエンジンモードが5種類もあるので、それについて。
多分普通の人が一番多く使うのはこれ「ロード」。そのままの意味で舗装路で使うためのモードなんだと思いますが、3000回転以下はあんまりトルク感がなくて、中回転〜のエンジン特性という感じでした。高速道路で4000回転より上を使うと気持ちいいのですが、次に紹介する「スポーツ」の方が良いので、はっきり言ってこれはほとんど使いませんでした。
これが「スポーツ」。ロードよりも中回転が力強く、おそらく高回転もパワフルなんだと思うのですが、4000回転〜5000回転くらいでもう100km出ちゃうので、ぶっちゃけ日本で乗ってる限り、このモードの真価を味わう機会はないと思います。でもどこまでも伸びていきそうな感じがして、乗ってて気持ちいいです。
はい、「レイン」です。取材日は移動中、雨の中を2時間くらい走ってたので、これたくさんおせわになりました。3000回転以下の特性は「オフロード」に近いんじゃないかな。KTMとかもそんな感じだったのですが、低回転のトルクの出方がすごく穏やかで、雨でスリッピーな路面でも安心感があります。あとやはりトラクションコントロールが効きやすい印象がありましたね。
みなさんお待ちかね「オフロード」です。取材日はオフにも入ったのですが、雨の後でヌタヌタだったので、ほとんどこれでした。3000回転以下のトルクがとてもマイルドで扱いやすく、多分読者の皆様にわかりやすい言い方をすると「セ◯ーっぽい」という感じです。ただしもちろん、1250ccありますから、そのままではなく、ヌタヌタ路面で恐る恐る開けたくても、パーシャルでものすごい進むんです。トコトコトコって進んでいっちゃう。怖くてブレーキかけるとタイヤがほぼロードタイヤなものだから(あの程度のブロックは一瞬で泥に埋まり消えてなくなります)、ツルツルっと滑ってトラクションコントロールが介入して「うおおっ」と足をついて無事に安堵する、慣れるまでしばらくそれの繰り返しでした…。
だんだんそのパーシャルのトコトコトコに慣れてくると、少しづつスタンディングできるようになって、同時にアクセルも開けられるようになります。あ、あとこれいつも書くんですけど、オフロードモードの低回転域の優しいエンジン特性は、都内の渋滞に捕まった時なんか、最高なんですよ。リッターバイクって都内でちびちび動く渋滞に捕まると地獄なんですよ。ちょっとアクセル開けただけでドンっとパワーが出て、しかもサスペンションがよく動くものだから、ピッチングを抑えるのに神経使って、すごく疲弊してしまうんです。でもこのモードがついてると、とても楽ちん。
最後に「オフロードプラス」っていうのがあります。これ! これですよ! いやぁ、ハーレーさん、わかってらっしゃる! このモードこそが真の意味で「オフロード」なんですよ。さっきの「オフロード」がセ◯ーなら、これはまるでY◯250FX、は、ちょっと言い過ぎですね。テネレをもう少し低回転に振って元気にした感じでしょうか。街乗りからオフロードでよく使う1000〜3000回転でスロットルをちょっと開けると、ドンっと出ます。このレスポンスの良さがないと、オフロードバイクは楽しくないですよね〜。このモードなら、フロントアップとか、短い助走からのヒルクライムとか、できるんじゃないですかね。僕はできませんが。
ちなみにあと二つ、「A」と「B」があって、これは個人でカスタマイズしたエンジン特性を登録することができるそうです。
まぁでも何をするにしても、タイヤはもう少しオフロード寄りのものに変えないといけませんね。あとは路面コンディション次第というところでしょうか。