キャンパスオフロードミーティングの5時間耐久レースが山梨県、クロスパーク勝沼で開催された。本来であれば、60〜80名ほどの若き大学生たちと、同じくらいの「心が若い大人たち」が集い、楽しくレースをするイベントなのだが、コロナの影響で大学は部活動を制限しており、多くの学生は参加することができなかった。しかしそんな危機的状況でもたくさんの大人たちが集まり、イベントを盛り上げてくれたのは、ここ数年の運営側の努力が実った証拠だ。

今回ピックアップしたのは、ずっと気になっていたあの2チーム

吉田ジンギスカン、越路カレーメシの2チーム。よく色んなイベントやSNSで名前を見かけてはいたのだが、いまいち実態が掴めていなかった。ので、今回ちゃんとお話を聞いてみたら、意外な事実が発覚した。

この2チームは、なぜか一斉スタートの後方で独自にルマン式スタートをしていた……。やりたい、と主催にかけあったら「どうぞご自由に」と許可が下りたとのこと。そんなレース、他にない(笑)。

「吉田ジンギスカンっていうのは、ぼっちライダーさんが「はてなレーシング」っていうチームで、レースに出てみたいけど、一人じゃ心細かったり、エントリーしづらいっていう人たちを受け入れていたんです。で、ぼっちさんがバイクを引退した後に、それを引き継ごうということで出来たチームなんですよ。名前はただよくジンギスカンを食べてただけで命名した感じですね。越路カレーメシや、ラジエーターズ、房総林道部など、千葉や神奈川の初心者〜中級者ライダーで集まって楽しくレース活動をしています」と、なんとよく見知った名前が出てきて驚いた。

越路カレーメシのリーダー我妻圭輔さんは「越路カレーメシっていうのは道志にあった林道に行って、沢の水を沸かしてカレーメシを食べていたっていう、それだけで命名したんです。今はもう入れなくなっちゃいましたけど、名残で名前だけ残っている感じです。今回から小盛カレーメシっていうのができたんですけど、やはり「チームに属していないから使っていいですか?」って聞かれて「どーぞどーぞ」という流れで。

僕はCRF250Lで出たんですけど、曇りの良いコンディションも楽しめましたし、途中からちゃんと雨が降ってくれて勝沼らしいことができました。勝沼の二面性をしっかり味わうことができる最高の天気でしたね。キャンオフは去年のフリーライドに次いで2回目なんですけど、マジモンのLこと世利さんにバイクを直してもらって、その繋がりで出場しました。ライバルの吉田ジンギスカンと勝負するのが楽しかったですね」

基本は20〜30台の「心が若い大人たち」で構成されているのだが、本当の若者が2人いたので、こちらにもインタビューしてみた。右は樫村青海さんは大学1年生「オフロードバイク歴は1年くらいで、XRに乗っています。今回が初めてのレースで、キャンオフのバイクレンタルでCRF150Rをお借りして出ましたが、思った以上にモトクロッサーの扱いが難しくて、最後にクランクケースに穴を開けてしまいました。楽しかったですけど、最後は悔しかったので、また機会があればリベンジしたいです」

左のナイスセンスなTシャツを着てるのが大熊楓さん大学4年生「もともとレースにたくさん出てみたくて、先月WEX GAIAに出たんですけど一周もできなくて、2回目のレースでキャンオフに出てみました。親が昔ラリーをやっていて、その影響で始めました。

初めての勝沼は、最初はある程度回れたんですが、だんだん雨でコンディションが悪くなってきて後半はマーシャルさんに助けてもらいながら…」

なんとこれぞキャンオフ。ほぼ初レースな大学生カップルだった。お二人とも大学のバイク部には所属していないということだが、吉田ジンギスカンや越路カレーメシという素敵なバイク仲間に巡り会い、楽しく乗れているようだ。