ロー&フレキシブルな車体

車体やサスペンションについては、内嶋は「細かいところでもよく曲がって車体のねじれ剛性が柔らかに感じます。それにモトクロッサーならではの軽さが武器になっているとおもいますね。エンデュランサーは、軽くなったとは言えやっぱり重量がありますから、それとくらべるとアドバンテージがあると感じました。

サスペンションは、だいぶ柔らかいですね。ただ、僕らレベルだと身体をしっかり使ってくだりなどでもちゃんと対応できるので、問題はないと思います」と評価する。

その「よく曲がる」原因は、まずコレだ。みえづらいが、シリンダーヘッドとフレームをつなぐエンジンハンガーは、2枚から1枚に変更。本来シリンダーヘッドのステーを挟み込むようにとめているものを、ただのつっかえ棒のような形にしたわけで、鈴木いわく「全然ちがう。特に車体のねじれに影響します。(ヤマハの)4ストはエンジン前のハンガーで剛性を調整しますが、2ストはシリンダーヘッド上が効くのです」とのこと。2ストYZで固さを感じている人は、試していてもいいかもしれない。

サスペンションは、2スト用のKYBエアサスペンションに。エアを1kgほどしかいれていないことから、1cmほど低くなっているという。インナーチューブは全周をガードできる、これまた日本のハードエンデューロランカーから産まれた知恵を拝借。

リアサスペンションは、YZ125X用を流用。スプリングをYZ125XとYZ250Xの中間のものとした。また、ストロークをショート化し、3cmローダウンしている。「僕らでも、カールズダイナーなどを想定すると、低ければ低いほどありがたいです」と鈴木。これまでのマシン作りとは、だいぶ異なる方向性を打ち出した。