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ぶっちゃけ広告記事ではないので、名指しで書かせていただくが、僕が個人的に信頼と尊敬をしているシート関係のブランドが3つある。一つはキングオブシートこと野口シート。Team HRCダカールラリーにもシートを供給しており、「尻は、基本的にスポンジを超えてシートベースへ底付きするものである」という考え方のもと、徹底的にスポンジフォームを研究してきた。二つ目は、サカモトワークス。鈴木健二が編み出したMTBのタイヤを貼り付けるという、アメリカ人真っ青な強引なグリップ手法をとったクロコダイルシートを製品化した。三つ目が、今回紹介したいK&Hである。元々、「紀一と博F.R.P.研究所」という屋号であっただけあり、そもそもはFRPの玄人集団だったのだが、今はシートに特化した。シートベース、フォーム、カバーすべてをいちから作り出すという稀代の“メイカー”である。

K&Hブログより

kandh.co.jp

シートを企画する際、代表の上山氏は徹底的にそのバイクを乗り込み、シートだけでなくバイクの課題点を洗い出す。それから、型を手で削り出し(その姿はまさに職人。シートシェイパーである)、型をバイクに取り付けては納得がいかないと型を壊し…。トライ&エラーを繰り返して生まれるのが、K&Hの製品だ。

軽快感がシートで生まれる不思議

K&Hのそら豆(ハイ)シートをお借りし、CT125に乗り出してすぐに感じたことは、加速のしやすさだった。そもそもCT125自体、加速がしづらいなんて思ったことは一切なかったけど、そら豆シートを装着することで気づかされたのだ。CT125の純正だと、加速時にリアへ尻が押しつけられたときに、受けてくれるところがなく若干腹筋に緊張をともなうのだが、そら豆シートではそれがない。自然に体幹が加速Gをうけとめてくれる。

さらに言うと、減速時はもっと違いを感じる。純正シートで減速する時、我々は知らずのうちに足をステップに向けて踏ん張っている。タンクがないバイクだから、足で踏ん張るしかないのだが、そら豆シートは前側に傾斜がついていて、これを腿の裏で挟み込めるというスンポーなのだ。だから、減速時は通常のバイクと同じように、ニーグリップで減速Gを押さえ込める。