オフロードバイクには怪我がつきもの。その怪我もちょっとした打撲から入院が必要な骨折、さらには後遺症が残ってしまうような大怪我まで様々です。中にはその怪我が原因で、再びバイクに乗るのを諦めてしまう人も多いと思います。そんな方たちに、もう一度バイクに乗ってもらいたい、という活動が、Side Stand Project(SSP)です。

いよいよ本コース走行

お昼休憩を挟んでいよいよ関口さんのサーキット走行の番。恐怖心は微塵も感じさせず、楽しくてたまらないといった様子でした。車両はBMW MotorradのS1000XRをパラモトライダー用にカスタムしたもの。

GPライダーと全日本ライダーに挟まれ、ゆっくりとコースイン。

徐々に速度も増してきて、バイクをバンクさせることも。休まず3〜4周走り続けると、交代。

パドックに戻ってバイクを降りると、サポーターから大きな拍手が贈られます。

「乗る前は、乗ったら泣くかな、と思っていたんですけど、楽しくて楽しくて、涙が出てきませんでした。僕は若い頃はロードレースの真似事のようなことをしていたんですけど、次第にオフロードにハマって、エンデューロやスプリントのレースとかも出ていました。ところが13年ほど前にWR400Fというバイクで林道を走っていた時に、崖から落ちて脊髄を負傷し、下半身不随になってしまいました。それからは4輪でモータースポーツを楽しんでいたのですが、ネットの友人にこのイベントを教えてもらって、勇気を出して参加してみたんです。

最初は見学だけで参加して、治親さんに丁寧に説明をしていただきました。2回目はキックスターターに椅子と補助輪をつけた練習車両で練習したあと、補助輪付きのバイクに乗り、最後にはMVアグスタに乗って教習所の外周を走ったんです。その時は30kmくらいでトコトコ走って、それでも十分楽しかったのですが、拓磨さんがこのサーキットを思いっきり走っている動画を見たら、やっぱりサーキットを走ってみたいな、と。

参加を重ねるごとに、一緒に参加している他のパラモトライダーや、サポートしてくれるスタッフさんとも仲良くなれて、新しいバイク仲間ができた気持ちです。こんなに素晴らしいイベントを開催してくれるスタッフのみなさん、スポンサードしてくださる企業のみなさんには本当に感謝しています」と関口さん。