ケニーのトーン&マナーは、古い時代のモトクロスとストリートカルチャーを混ぜるところにある。現、2020年代にはいっても、長い90sブームは終焉の兆しを見せず、むしろケニーが作り育ててきたFASTHOUSEのルックがモトクロスシーンに浸透しきっている。
ただ、この流れは決してデザインがいいから、それだけの理由ではない。vol.2では、はるばるオーストラリアまで渡り、FASTHOUSEの「今」を見つめてきた旅を、お送りしたい。
「オーストラリアは土漠ばかりで、巧くなれる土地ではないんだ。オフロード天国に見えるけどね」10年も前だろうか、日本最大のクロスカントリーレース「AAGP」にゲスト参戦したジョシュ・ストラングから聞いた言葉である。インタビュー現場であった爺ヶ岳…ガレや、涸れ沢、ウッドチップのソフト路面に、グリーン…路面バリエーション豊富なXCの聖地…を、持ち上げようとしたのかもしれないが、ジョシュはオーストラリアを出てアメリカで成功を遂げたのも事実。オーストラリアは、オフロード不毛とまではいかずとも(チャド...