コンポーネントのフィーリングには、値段の差は感じない
だが、まとめると3車には明確なコンセプトの違いが現れている

UNITED IN DIRT | GASGAS

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この3台、ブランドの押し出し方は、プレミアブランドのハスクバーナ、スタンダードのKTM、ファン要素の強いGASGASと言えるかもしれない。GASGASは、スーパークロス開幕から優勝してしまったから、レーシングイメージが強く付いてしまった感があるが、特にそのPVを見る限りはヨーロッパ西部、ラテンのノリのファンライディングが全面に表現される。

KTM 250EXC-F SIXDAYS
139万6000円

Husqvarna FE250
132万円

GASGAS EC250F
114万3000円

これは、価格にも顕著だ。KTM 250EXC-Fはシックスデイズモデルなので139万6000円。ハスクバーナFE250は132万円、GASGAS EC250Fは114万3000円である。この3台のコンポーネントは、明確に違っていて、最もめだつところではブレーキパーツが違う。KTMにはブレンボ、ハスクバーナにはマグラ、GASGASにはブレーキテック。田中は「あ、そうか。でも、違いはあまり感じませんね。GASGASだけ新車をレビューしたので、ブレーキのあたりが出ていないのですが、そこまで違うなとは思いませんでした」と。タイヤは、KTM/ハスクバーナがメッツラー、GAGASはマキシスが組まれているのだが「GASGASのエンジン特性は2台とだいぶ違うので、タイヤの差は語れる範疇にはない」とのこと。ただ、エンデューロバイクだから、最初についているタイヤはあまりユーザーの気にならないだろう。

田中がこの3台で特に声を大にして言うのは、GASGASの異質さだ。KTMとハスクバーナは、これまでもリンクの有無で差が語られてきた部分である。ただし、ともにレーシングマシンとして認識されてきたし、パワー感も十二分。特に、20モデル比較でもそのパワー感を高めてきた。だが、GASGASは向いている方向が違うと判断できる。基本構成が同じでも、こうも特性を変化させられるものか、と感心するほどに扱い安い。KTMやハスクバーナが木の根を越えるときに、少し緊張間をともなうのに対して、GASGASの場合はラフにスロットルをあけてもクリアできてしまうくらいの扱いやすさがある。だが、その反面田中からすれば「僕らプロからすると、物足りなさは否めない」とも。メディアの我々が感じるには、どちらかといえばGASGASは日本人に向いているのではないかと思う。