わずか1ヶ月だが、超濃密な1ヶ月だった
実に、全日本モトクロス1年分の7戦分が、1月16日の開幕からたった1ヶ月で消化されてしまったことになる。開幕は4位だったが、トップチェッカーを受けたクリスチャン・クレイグらとは差が見て取れた。小さくはなく、実力で彼らをねじふせるにはそれ相応の時間がかかるだろう、と思われた。だが、この1ヶ月を経てどうだろうか。第6戦、第7戦ともに下田はクレイグとの差を詰めるに至っている。
下田本人は、開幕当初に自身のベストラップがそうトップと変わらないことを自信に変えていた節があった。自分の走りができれば、上にいけると踏んでいたのだが、実際にこの1ヶ月で変わってしまった。
「第7戦、スタートでミスをしてしまいました。ゲートがマディで滑って、隣のライダーと当たってしまった。すぐに4番手まで上げられて、その後はクレイグをキャッチしはじめていたけど、フープスでミス、みぞおちをうってしまってその後はペースを下げてしまったんです。アンラッキーもありますが、評価は低いですね」と下田は言う。たぶん、第3戦くらいの段階であれば、攻めの走りが出来ていたことを評価していたと思う。だが、今はそんな状況ではないと自覚している。「みんな実力は僅差だから、スタートの重要性が高まっているんです。今、勝ちに行くのに必要なのは、レースの早い段階で自分のペースへもっていくことと、スタートです」と。
次戦ソルトレイクシティは、4月24日。2ヶ月もの間があくわけだが、この2ヶ月はアウトドアの準備で忙しい。「パラと、グレンヘレンを中心にトレーニングをします。スーパークロスが近くなれば、スーパークロスの調整も週2くらいでやるようになると思います。マシンはアウトドアとスーパークロスであまり変わらない、サスセッティングが違うだけなので、問題もおきない」とのこと。
ソルトレイクシティ1はイースト、最終戦のソルトレイクシティ2はシュートアウト(東西混合)で層が2倍になる。下田は「層が厚くなるだけ」と冷静。勝利を渇望する残り2戦に向けた、2ヶ月が始まる。