「とにかく軽量化」開発チームの飽くなき重量への探求。旧モデルから6kgを削った
開発責任者の杉山氏は、プライベートでもCRF250L、CRF250RALLYでオフロードを思い切り楽しむライダーでもある。だからこそ、杉山氏はオフロードバイクでスポーツ走行する上で、いかに重量が重要かを知っていた。だが、問題はABSやユーロ5に対応するための補機類だ。特にABSユニットは1kg以上の重量がある場合が多く、新型を開発すれど重量増は目に見えていた。
だからこそ、スペック上の旧→新4kg減には数字以上の意味があるのだ。前述したとおり、増やさねばならなかった分を差し引いて、4kg。開発陣によれば「旧モデルからの純粋な軽量化は、6kgになります」という。バイクの軽量化に臨んだことのある人なら、このとんでもない数字のすごさがわかるはずだ。しかも、重さのあるエキゾーストなどはさらに厳しい規制を通したもの。6kgもの軽量化は、まったく別のバイクだと言っていい。
どれだけ軽量化されているかは、こちらの図版をみてのとおりである。先述したフレームの-2150gしかり、ボトムブリッジは鉄製からアルミ製(-730g)へ、スイングアーム(-550g)も肉厚から見なおしている。リアアクスルシャフトは、レーサーのごとく中空変更され、リアブレーキのマスターシリンダーなどもレーサー同様のタンク一体型へ。LEDウィンカーは、CRF450Lで開発されたものを使用し、薄く、90度まで折れ曲がっても形状が元に戻るフレキシブルなものを採用している。これも、軽量化のためだという。