今、ハードエンデューロというジャンルはかつてないほど陽の目を見ていると言ってもいいだろう。クロスカントリーやオンタイムエンデューロのウラで、コアなファンに支えられ脈々と続いてきたハードエンデューロが、CGCやクロスミッションといった、若者の心を捉えたイベントの台頭により、表舞台に出てきた、と言ってもいいかも知れない。その影響は、頂点にある全日本ハードエンデューロ選手権「G-NET」にも及んでいる。今この時代に、絶対王者ロッシから、チャンピオンの座が移ったことは、日本中で着々と育ちつつある20〜30代の若手ライダーたちの時代が始まることを予感させるものだった。
黒ゼッケンの半分が入れ替え!?
広島の影響が色濃く残る大波乱
今年の黒ゼッケンは#1高橋博(ロッシ)、#2水上泰佑、#3山本礼人、#4中野誠也、#5泉谷之則、#6藤田貴敏、#7大西実、#8上福浦明男、#9鈴木健二だったが、来年はその半分以上が入れ替わる結果になった。
黒ゼッケンをキープできたのは#1水上泰佑、#2山本礼人、#3鈴木健二、#9中野誠也の4人のみ。今シーズン参戦していない藤田はともかく、泉谷、大西、上福浦の3人は広島ルールでのノーポイントに泣かされ、ロッシは開幕戦で優勝したものの、残り2戦を怪我で欠場し、惜しくもランキング10位という結果に。
代わりに黒ゼッケン入りを果たしのはまず原田皓太。最高順位は広島の7位だが、コンスタントに3戦とも2桁ポイントを獲得しているのが効いてランキング4位の大昇格。
そして最初に紹介した佐々木文豊こちらも最高順位は日野の7位。続いてなんと開幕戦を見送った永原達也がランキング6位に入った。広島で3位入賞した時は「もしや」と思ったが、日野でも8位に入り、見事に黒ゼッケン復帰を果たした。
そして地元、日野で初の黒ゼッケン昇格を果たした石井貴行。広島でしっかり5位に入っていたのが大きく影響した。そして最終戦日野は不参戦ながら原真也がランキング8位。