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ヤマハは、21モデルの開発コンセプトに「プーリングパワー」という言葉をはじめて書き添えたという。耳慣れない言葉ではあるものの、これはハンドルを引かれるような、そんなパワー特性を指すのだと。あくまでイメージの話だが、すーっとレブ域で伸びていく特性も「引かれているような感触」である。

「日本では、高いギアで走ろうとするライダーが多い。トルクでマシンを進められるので、サスがギクシャクしない。僕もその教え方をしてきたが、実は、そのレンジにいれるならもっとスピードをあげてから1速上げないと意味がないと思う。引っ張って走ることを覚えられれば、きっとレベルもあがるはずだ」とも辻は言う。YZあるいは近年トレンドマシンの真価を引き出せるようになれば、おのずとレベルも上がるということなんだろう。

マシンの中心が高いところにない

辻は、車体についても好印象を受けた。

「ヤマハのYZは昔から、質量というかエネルギーが溜まる所が割と高い所にあるような感じがする。だから加速の時に姿勢を取りづらくなり、抑え込みにくかった。加速するときの「ため感」を作ったりするのにも、うまく入らないイメージが合ったけど、21はそういうのがまったくない。

加速・減速・加速・ジャンプといった、バイク特有の自然なピッチングに対しても全然違和感がなく乗りやすい。コーナーも結構寝かせたんだけど、あんなにフロントに安心感をもって乗ったことはない。だいぶ乗り込んでからじゃないとあそこまで寝かせられないのではないか。やろうと思ってやったわけではなく、自然にそのまま行ってくれるフィーリングだね。

普通ならアクセルを開けた時にフロントが浮いてきて抜けてしまうが、それも感じなかった。フロントの接地感や路面を捉えるモーションに癖がない。

重心の先にサスとタイヤが作動しているような感触があり、路面から受けるエネルギーから重心の乱れを受けにくく、大きなバランスの崩れを招きにくいように感じる。その結果、ライダー自体の軸も乱れにくいようだね。フルモデルチェンジ以前は、車体全体の骨組みがしっかりとしているようで、作用するポイントのエネルギーがダイレクトに車体全体にながれている感覚があった。外乱を受けた時の重心(車体の軸)の乱れが強くあるように感じていたんだけど、フィーリングが変わったよ。20と比べても、軽快なフィーリングがあるのも車体内のエネルギーのながし方を変更することで、ライダーが受ける感触の変更につなげているのではないか。

前とはイメージが変わったね。車体も、今のトレンドに即した特性だと思う」と。

パッケージングの良さ、そしてエンジンの伸びについてとことんディープに語ってくれた辻。YZの印象は、想像以上だったに違いない。

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