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いまなお、スポーツは進化しているか。答えはYESだと思う。現役を退いてからも、教育のため、自らの道のため、渡米を繰り返し、今のモトクロスにも明るい辻健二郎はこう語ってくれた。「狭いゾーンでみんないろんなことにトライしている。特に海外のライダーは、バイクの慣性(エネルギー)をどう扱うかにフォーカスしているよね。どれだけバイクを走らせるために理にかなったエネルギーのコントロールできるかが、近年のキーだと思う」。最先端を走るライダー達が、新たなトレンドを生み出し、マシンはそれに追随する。昨今、モトクロッサーはさらにシャープな方向性へ進化していく。

とにかく軽快な感触

いまなお、一線級のスキルを保つ辻健二郎は、スポーツランドSUGOにゆったり入って行くと、数周感覚をならしてから、レーシングスピードで走行。昔抱いてたYZへのフィーリングとは、だいぶ違うものに驚いた。

近年のYZは、所持はせずとも乗ったことがあって記憶も濃いものだったから、その衝撃も大きかったろう。「コースインするとマシンの取り扱いの軽さ、エンジンのレスポンスの良さをすぐに感じテンションが上がった。恐らくほとんどのレベルのライダーが乗っても感じれる軽快感だと思う。アクセルの開け始めから心地よく反応し、車体が前に進む。この時、軽くハンドルを引っ張りウィリーさせるようにすると、積極的に路面グリップを高める事が容易にできる。マシンを加速させることや荒れた路面状況でのマシンコントロールを、21モデルはヘルプしてくれる。

2ストロークに比べると、4ストロークのマシンはオーバーレブするポイントが手前にあるため、高回転域で気持ちよく走ることが難しいし、シフトアップが難しい。しかし、この21モデルのエンジンは、しっかり回していてもマシンのスピードが乗っていく加速状態が続き、高速~伸びの部分で必要とするパワーレンジが広がっていて、無意識にマシンの高回転を多用するライディングをしていた。安心して高回転走行もすることが出来た。難しいジャンプ前でのシフトアップを削れたり、レースでのバトル時に大きく助けてくれるはずだよ」と辻は開口一番に言う。