軽さや、コストを考慮に入れれば、セロー250のようなオールマイティなトレールバイクに、サスペンションの性能はそこまで望めない、と思ってやしないだろうか。現代の物作りの技術を持ってすれば、セローのサスを飛躍的にガッシリさせること、無理な相談ではない。内部構造を、ダンパーロッド式からカートリッジ式に変更すれば…。

Technix
TRICキット セロー250用

¥98,000(税別)

いいサスペンションは、ライダーに余裕をつくる

はじめて、バイクで目線を遠くにできたことを覚えているだろうか。明らかにまっすぐ走れるようになり、きっと自信のようなものが湧いてきたはずだ。これは、余裕ができたからに他ならない。先のことを見通せるようになったことで、対処に余裕ができる。

いいサスペンションは、その感覚と似ていて、ライダーに余裕を作ってくれる。

TechnixのTRICを装着したセロー250をテストして、鈴木健二はこう話してくれた。「セローのスタンダードでは、バネが張ってる感触があります。ゴムまりみたいに、ショックがあると跳ね返ってくるのです。

林道って水切りとか角張ったギャップがあるじゃないですか? ああいうところはスタンダードだと、入りは柔らかいけどそのあとに反発があるんですね。人間が動いてこれを逃がしてやる必要があるんですが、できずに振られるライダーが多いです。バイクが急激に動いてしまうんですね。そうすると、ライダーの頭がゆれてしまって目線が定まらなくなる。バイクの動きがはやいから、身構えてしまう。