セロー・トリッカーのスペシャルショップ「バイク屋タンデム」をご存知でしょうか? お店のある愛知県だけでなく、全国区から頼りにされるほどの日本屈指のセローショップであり、その得意分野は山遊び。タンデムの手がけたセローは、街でも山でも乗りやすく、手の入った車両は引く手あまたなんですが…その理由を探ってみました!!

ギクシャクしないエンジン特性の秘密はコレ

エンジン上部に装着されているのはNAG S.E.D.製のクランクケース内圧コントロールバルブ。これはクランクケース内を減圧し、排出/吸引の負荷を少なくすることでエンジンの回転抵抗を低減ししてくれるパーツです。全体的に走りが軽快に変わる、アクセルがギクシャクしない、エンジンの振動軽減、エンジンブレーキの低減と多くの効果が得られます。杉浦さんは「これはセローには必須パーツですよ。装着してもデメリットは無いですし、これが付いてないセローには乗りたくないですね」と言うほどの性能。僕もノーマルセローに乗っていますが、バルブ装着車はギヤを2段落とししても嫌な感触がないくらい、スムーズでした。これなら、ウッズでも積極的にエンジンブレーキを使って行けそうですし、コーナーでリアがホッピングすることもなさそうです。

どのように減圧しているのか

by NAG S.E.D.

NAGのバルブはワンウェイバルブ構造になっており、クランクケース内の空気を排出して外からの吸気を遮断することでクランクケース内部の圧力を低く抑え、エンジンの回転抵抗を減少します。例えば空気入れをイメージしてください。押し込むときは中の空気が潰され高圧になるため力が必要になりますが、引くときは中が低圧になるので軽くなります。これがエンジン内でもおこっているため、クランクケース内を低圧にすることによってスムーズなエンジンになります。

装着後のメンテナンスの事を聞いてみると、「ほとんどメンテナンスはしなくて良いと思いますよ。エンジン上部に装着しているため、熱も伝わりますし、内部にもほとんど乳化したオイルはたまらないですね。おそらく装着している場所が良いのだと思います」とのこと。

さらに乗りやすさを支えるキーアイテム

エキゾーストパイプはdB’s製の物に変更、ノーマルと比べレスポンスが向上し軽快な走りを実現。なんでも、2018年のモデルチェンジに伴って、エンスト寸前のエンジンの粘りが若干弱くなったと感じたため、エキパイを延長して対策をしているとのこと。

サイレンサーもdB'sに特注。杉浦さんの好みで通常ラインナップよりも5cm短くなっています。ボディ部はチタンプレートで補強されており、焼けた虹色が美しいですね。