繊細なクラッチを生み出す秘密

クラッチはタンデムオリジナルのMAGURA製油圧クラッチに変更されています。マスターシリンダーの径を大型化し、9.5mm→10.5mmにサイズアップ。(通常ラインナップは9.5mm)
この10.5mmというのも実際に杉浦さんが試して良かった物だという。杉浦さん曰く、「9.5にくらべ若干重いけど、レバーを近くにできるので指一本で操作可能になります。これもセローには必須パーツですよ。」とのこと。

なぜ油圧クラッチが必須なのでしょうか?

「ワイヤーもしっかりメンテをしていれば一定の軽さがキープされますが、エンジンが冷えている時や暖まっている時、スタックしてもがいている時に遊びが大きく生まれてしまいます。ハンドルを左右に切った時にも遊びを感じますね。それでも常に同じところで切れ、同じところで繋がるものといったら油圧しかありません」

クラッチもタンデムオリジナルのカスタムが施されています。クラッチピンとクラッチ板、フリクションディスクはWR250Rの物を使用し、工房きたむらのクラッチリテーナーも使用しています。

クラッチの踊りとリテーナーの効果

クラッチのを切っている時にアクセルを開けると、ニュートラルになっているが少し進んでしまう事があります。(クラッチの踊り)
しかし、リテーナーを入れることでクラッチを切っている状態でアクセルを開けても(アクセルを溜める)進まなくなります。そうすると繋がるときの感覚が一定になり気持ちの良いスムーズなクラッチになります。

・杉浦さんはクラッチに対してとてもこだわりが見えますが、一番重視してる所はどこですか?

「まず繋がり方、そしてしっかり繋がることです。ステアのような短い加速をする時にノーマルのままだとパワーが逃げてしまうんですよ。特に2速でレブらせて登る所でとても重要になる物なんです。」

オイルは広島高潤の4stスペシャルエキストラバージョンを使用しています。(10w-40)実際に使ってみるとトルクアップを感じるとのこと。「入れる前と違って全域で力強さを感じます。使ってみてください本当にびっくりしますよ。たぶん、誰が乗っても違いがわかると思います。」