残り2戦に迫った、スーパークロス。コロナ禍を乗り越えて、無観客で再開したシーズン後半は、ソルトレイクシティで7戦を超過密スケジュールで開催するというからとんでもなくタフだ。今朝は、250イーストに参戦する下田丈にとっては、残り3戦。
前週からはがらっと変更されたレーストラック。スタートの距離はショートになった。リズムセクション3本にフープスというおおまかな構成には変更がないが、問題は天候だ。雨の予報だけは外れてくれたものの、トラックの脇は深い水たまりになるほどのマディコンディション。トラックメンテナンスで水分だけは乾いていくが、要所に刻まれるワダチはとてつもなく深い。
1本だけのクオリファイ、苦しいヒートレース
今日は過酷なスケジュールになってますねー、公式練習10分1回だけ... コース覚えれるか覚えれやんかぐらいやん� pic.twitter.com/BG6njKP6ER
— 下田丈/jo shimoda (@_jo_84) June 7, 2020
下田本人がツイートしているとおりで、この日のクオリファイはトラックメンテナンスにしっかり時間をとっているために、タイムドプラクティスが10分だけ。主立ったスター達からすれば、この状況でもあっさりタイムを出していくのだが、中堅クラスやルーキーには番狂わせも生じる。
下田の予選ヒート2は、中央付近からスタート。スーパースリッピーな1コーナーの捌きに不安が残り、8番手からの立ち上がり。コンディションが難しいため、上位と下位のスピード差が激しく、あっという間に差が広がる展開だ。ヒートレース6分の間にも路面状況は変わり、特にフープスは早めに攻める決断力も必要だったろう。下田は、このヒートを7位でパス。
3セグメント別のタイムでみると、フープスが含まれる後半3セグのタイムが伸び悩む。メインイベントまでの間にフープスはほぼ全員がスキミングしはじめているほど、コンディションが回復しているため、まったくヒートレースとメインイベントでは状況が変わる。
迎えたメインイベント、幻の2番手走行
下田は、再び雨脚の強まったメインレースをインよりからスタート。キレた1コーナー捌きで、まさかの3番手で立ち上がり。さらにそこから一人かわして2番手へ浮上した。トップはシェーン・マケラス。出遅れたチェイス・セクストンが下田に追突しそうな形で転倒し、さらに後ろへ下がる展開。2周目には、後続とも距離を保ち始め、まさかの2位が見えてくる!!!!
ところが…ガレット・マーチバンクスが派手にクラッシュして赤旗、レースはリスタートとなってしまった。
仕切り直してメインレース、再スタート。選んだグリッドは、ほぼ中央。スタートのタイミング、1コーナーまでは抜群だったものの、1コーナーの状況がまるで違うのだろう…、集団に巻き込まれて14位からの追い上げを強いられる形。トップは、マケラスとセクストンの一騎打ちの様相を呈したが、マケラスが序盤で転倒。セクストンがグイグイとベストラップを刻み、最終的には5位以下をラップして圧勝。再びレッドプレートを手にする。下田は、11番手まであげたものの、ミスで15番手まで後退。タフなコンディションで追い上げも効かず、11位にとどまった。
下田は、今シーズンのランキング目標を5位以内においているのだが、メーカーの違うルーキーである、ピアース・ブラウンや、ジャレク・スウォルへの対抗心が強い。特にポイント上で肉薄していたスウォルに負けるわけにはいかないのだが…このソルトレイクシティ3でスウォルが6位と健闘。
現時点でのポイントスタンディングは
1.チェイス・セクストン 166pt
2.シェーン・マケラス 163pt
3.ガレット・マーチバンクス 119pt
4.ジェレミー・マーティン 105pt
5.ジャレク・スウォル 91pt
6.下田丈 89pt
と、スウォルに逆転の憂き目にあっている。だが、4位のマーティンは、このRd.13から残りのスーパークロスを欠場表明しており、マーチバンクスも今回のRd.13後に復帰するか不明。偶然も重なり、ランキング3位も射程距離に入ってきた。
水曜日からは、ウエストが2戦連戦になることで、下田は6月17日までお休み。残すはイースト・ウエストの混走になるシュートアウトとあわせて2戦。