後ろの座面を広くすることで、ラクなシートを作る
長ければ一日に800kmクラスのルートが設定されるダカールラリーでは、多くのライダーからシートに対してコンプレインが出る。
「座るところは、チーム全員がほぼこの辺ですね。長いルートでできるだけリラックスできるポジションで、座面も広く設計しています。SSでは、コーナリング時に前に座る。これがダカールのシートの基本的な使われ方です。
余談ですが、ダカールラリーではこういう風にエラが張ったシートをウィングシートと呼んでいます。座面が広いからラクであるのと同時に、彼らはスタンディング時にウィングに足をひっかけて使います。これは嫌がるライダーもいます、ダカールのシート作りはライダーによって全部仕様が違うんですよ」と野口氏。今回、ダカールスペックとして製作されたセロー250のシートでは、この後ろの座面は加工していないのだが、よりロングライドに対応するには後ろの座面を広くする加工も有効だ。
いろいろと教えていただいた野口シートは、シート業界でもハイエンドなことで知られている。セローのダカールスペックで72,000円(税別)なのだが、工芸品としての美しさがある、と言わしめるほど美しい仕上がりだ。ステッチの正確さ、ハマリのよさ…。Off1.jpでも、実は野口シートの美しさに惚れ込み、一枚シートをスタジオに飾っているほど(笑)。セロー250の「最高」なシートが欲しければ、一度相談してみるのもありだと思う。