ヒートレース、いやタイムドプラクティスから、下田丈はスタートを成功させていた。半年前のAMAモトクロスでは、なかなか決まらずに苦労していただけに、トレーニングの成果も出ている。何より、7番手くらいの立ち上がりから混戦を競って3番手まで浮上するのだ。「ただ運がよく出た」のではなく、実力で競り、上へあがっていけるようになっていた。メインレースでのそれは、日本のファンを感動させるに十分だった。「日本人のルーキーが、百発百中でスタートを決めて、トップ陣に絡んでいる…!
8-7-6と順位をあげていくクオリファイ
繰り返しお伝えしているとおり、シーズン前のパワーランキングでは下田丈は8位だったのだが、タイムドプラクティスの1本目で7位、2本目で6位と若干ながら上位へ食い込む形を見せる。スーパークロスならでは、レーストラックの難しさがクリアラップをなかなかとらせず、タイムを狙うのも至難の業だ。ならではの巧さもあるだろう。トップ陣たちの「切り替え」は非常にウマイ。クリアラップがとれないとわかったら、ヒートレースのためのライン攻略に思考を切り替える。
そして、ヒートレースは第2グループ。ここで、下田は5位に入る活躍を見せた。一抹の不安としては、ファクトリーではないベテラン勢2名に割って入られたことだった。
メインレース、12番手まで後退したワケ
前述したとおり、百発百中のスタートを決めて下田はトップ陣へ絡むレース展開を魅せる。だが、きっかけとは些細なものだ。
プライベートチームのカイル・ピーターズにイン側から強引に抜かれたことを契機に、グイグイと順位を沈め、12番手まで後退してしまう結果となった。下田はこれを「サンドセクションのこなしも、よくなかった」と分析する。こののち10位まで回復して、チェッカー。特に、圧勝したシェーン・マケラスや、ジェレミー・マーティン、チェイス・セクストンは相当な鋭さを、まだ隠し持っているように思えた。下田も「5位を目標にしていたけど、このままでは難しい。うまくいって6〜7位。解決すべき課題は多いですね」と言う。
後日、下田にはさらなるディープインタビューを敢行する予定。ひとまず速報の今夜は、ざっくり結果をお伝えさせていただいた。