いいところどり。現代的な解釈と、古き良き機構を取り入れる

ドラムブレーキではなくディスクブレーキ

旧CT110にも特徴的な、アップエアクリーナー。キャブから後ろに伸びて、キャリアがエアの吸い口になっている。これを、コンセプトにも取り入れた。たしかに、オフロード的と言えばオフロード的だが、実際この機能が活躍するような事態はなかなか想定しづらいものがある。

ハイマウントエアクリーナー

実は、サハリンや、オーストラリアなどの道が水没しがちな地域のSUVには、このエアダクトが「実用的に」ついている。CT110が活躍したオーストラリアで、実際にかなり有用だったのは想像に難くない。

5Lを想定、モデリングされたフューエルタンク。オフロードでの利用を考えたものだ。この辺も、ベースのC125とは違った。

過去のスタイリングや機構に敬意を払い、しかし現代風に解釈したLEDなどを盛り込んだ、コンセプトCT125。

液晶ディスプレイで、力の入ったもの

車体下部からの衝撃を守るエンジンガードに、アンダーフレームはハンターカブの意匠

このモデルが世の中に公表された時に、多く聞かれたのは「あまりによくできすぎていて、コンセプトモデルとは思えない。このまま発売されるにちがいない」という評判だ。バランスも良く、カスタムモデルの領域を遙かに超えている。だが、鳥山氏と話して感じたのは、モデル技術も3Dプリンターやモデリングで、相当な域まで現代では高められているのだと言うこと。ワンオフのパーツもプロダクトのように成型できる今となっては、もはやコンセプトモデルの「デキ」では何も判断できないものだった。

事実、鳥山氏は「このモデルの今後についてお話できることはありません」と2019年時点では言う。マーケットの反応は、ご存じの通り良好。これをもって、鳥山氏らが市販化への途をとりつけたことは言うまでもないだろう。