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かなりぶっとんだ解釈で言えば
アフリカツインは、この新作をもってガラケーからスマホに進化した

Off1ならでは…というか、まずは電子制御のごくごく一部のマニアックな部分を説明させていただいた。このウイリーコントロールを可能にしたのは、まさに前述した6軸IMUのセンシング技術だ。

縦、横、上下の慣性に加えて、各々の回転の状態を、加速度を含めて測定するIMUをアフリカツインは搭載している。ホンダの公式資料では

 IMUから得られた情報により、クイックシフター ・DCT ・HSTC ・ウイリーコントロール ・電子制御サスペンション・ABS・ヘッドライド(コーナリングライト)を的確に制御します。
 これにより、クイックシフターは、コーナリング時のシフト操作の高い信頼性を確保。DCTは、坂を上り下りするときのシフトスケジュールを的確に制御し、登坂、降坂時に不安のない走行を可能としています。
 また、HSTCは、荒れた路面での横滑り時のスリップコントロールを支援し、ヘッドライトのコーナリングライトは、バンク角によりライトの点灯/消灯が行われます。コーナリングABSの制御や、サスペンションの後部リフト制御、ジャンプ時の姿勢制御やABSに連動した姿勢制御にも効果を発揮します。

と説明をしている。

たとえば…

・CRF1000L初期型では、トルクコントロール(HSTC)は車輪速※をセンシングし、点火と噴射をコントロールして制御
 ※対路面スピードと合致するフロントの車輪速と、滑り出して速くなるリアの車輪速の差異を計算して、制御へ結びつけている

・第二世代CRF1000Lでは、トルクコントロール(HSTC)は車輪速をセンシングし、スロットルバイワイヤで操作を支援しながら点火と噴射をコントロールして制御

・最新CRF1100Lでは、トルクコントロール(HSTC)は6軸の状態+車輪速をセンシングし、スロットルバイワイヤで操作を支援しながら点火と噴射をコントロールして制御

というような進化をしてきたということになる(上記解釈は、編集部独自のもの)。たとえば、ドローンがここまで市民権を得たのも、このセンシング技術によるものだ。ドローンの姿勢や、GPSによる詳細な位置を感知することで、制御へ反映させる。スマートフォンがナビになるのも、速度計になるのも、原理的には同じ。かなりぶっとんだ解釈で言えば、アフリカツインは、この新作をもってIMUで知覚を手に入れ、ガラケーからスマホに進化したのである。

電子制御の設定についてレクチャーを受ける和泉。その操作は「階層がかなり深く、使いこなすには時間が必要」との判断。ちなみに和泉は個人的にガジェットフリークでUIにはウルサイ

こちらが電子制御の設定をしているシーン。左列でカスタマイズしているところ。HSTCが7に設定されていて、ウイリーコントロールが1、ABSのリアはアクティブ、サスは1人乗り用プリロード、Gスイッチオフ

タッチスクリーンでも制御可能だが、基本この左コンソールを使う。ゴールドウィングを思い起こさせる操作系

さぁ、そのわくわくする進化ぶりを、和泉と共に探っていこう。