太田さんは「私自身、セロー持っているんですよ。1台目は、そこまでオフロードにどっぷりじゃなかった時期に持っていました。YZを買うために売ってしまったんですが、その後、増車でセロー250を買い直しました。セロー好きなんです。ファイナルエディションも、赤を買ってセロー2台持ちになるつもりです」と言うほど。練習熱心でマジメ。先述の富山大会では「このレースを今シーズン最後にしようと思って、真剣に取り組んできたから本当にウレシイ」と話してくれた。今は、海外のレースにも興味がうつり、なんとか2020年内に欧州のレースに出れないかと考えているそうだ。
ファイナルエディションのセロー250のポイントは、やはりフレームだろう。250cc化されてからはブラックアウトされて印象の薄かったフレームに、色を付け足した。
「実は、このフレーム塗装が本当に大変だったんです。まず、やるべきことは製造工程の見直しでした。色をキレイに出す二度塗りをするには、それまでの工程では無理。ラインの組み立て方から変えたんです。
試作ができあがってきてからも、一苦労でした。一貫して同じ工場でフレームをつくるわけではないから、パーツごとに別工場で塗装されるんです。最初は色が合わなくて。試行錯誤して、今の色になったわけなんですよ」と太田さんは振り返る。