渡辺は、次々にトップ2を撃破。単独トップを引く

馬場大貴。ファイナルクロス会場は、カートコースで開催されたのだが、日本でいう「ロードサーキット」レベルで大きなもの。アスファルトのコーナリングは1カ所しかなく、他はすべてグラベルだった。当初「スーパーモトスタイル」だという噂があったから、ライダー達はタイヤ選択に迷った(トレールタイヤが手に入るショップも探していた)のだけど、直前に情報を得て、全員新品のエンデューロタイヤに履き替えた

釘村、会心のホールショット。一際、過激なライディングスタイルが持ち味だったモトクロス時代を彷彿する

攻める釘村。スリッピーな路面のワダチを活かした、深いバンク角がわざわいしたか、中盤スリップダウン

釘村も、スタートで若干アウト側へ。見事3番手スタートを決めた会心のヒートは、まさかの赤旗リスタート。ところが、そのリスタートで釘村はさらにコンセントレーションを高めてホールショットを奪う。骨折している鎖骨が痛むのか…攻め立てられるうちにスリップダウンしてしまい、段々釘村は追い下がってしまうものの、6位でフィニッシュ。ゴールには、シャンパンが用意されていたけれど、誰もがその存在を忘れて釘村のフィニッシュを喜んだ。たぶん、この瞬間は現場からゴールドメダルという言葉が忘れ去られていた。日本最速、これまでにない成績で世界に通用する成績でフィニッシュしたこと、それで十分だった。