鈴木健二の教えを守り、積極的にレブらせる。レブはこわくない、友達

ここのところ、取材をする上で気にかかっていたことがあった。鈴木健二さんの言葉だ。「全開でレブにあたっていれば、そこからパワーが盛り上がることがないので、すごく安定した状態なんです。ヒルクライムでまくれちゃうのは、まだその先でパワーが出るような状態で、スロットルを操作するから。あけきっちゃえば操作は簡単ですよ」

健二さんの場合、これをYZ450FXだろうがYZ125Xだろうが車種を問わずやるので、これはさておき。でも、レブこそ安定するというのは面白い考え方だと思っていた。

レブこそ安定するっていうから、ほとんど1速で走った。ただ、セローの場合、レブに突っ込むと頭打ち感が強くて失速するから、レブのほんの少し手前を狙う。そうすると、スロットルを戻すこと自体が少なくなるので、スピードが落ちることも少ない。わりといいぞ、っていうかかなり攻めてる気分になれる!

セロー250は、ご存じの通りすこぶる扱いやすい。ただ、足の長い僕には足を出してからステップに乗せる動作がかなり辛かった。足の長い僕には。今度出るなら、ハイシートとワイドステップを調達しよう。

なお、事前に組み込んだきたむら工房のクラッチリテーナーは、絶好調。意識して走ると、思った以上に自分がクラッチを使い分けていることがわかる。

ちょっとした上り返しでフロントが浮きぎみになりそうな時に、ほんの少しクラッチを切ることで駆動を殺したり、逆に回転をあげてミートしたい時の半クラも、2パターンくらい使い分けている。こういう細かな動作が、リテーナーをいれたことで明快にわかるようになるし、たぶんミスも少しは減っているのだと思う。セローのような特にダルなクラッチには、覿面効果があるはずだ。

丸太超えれば、もっとわかっただろうにな。ははは。

雑なまとめになったけど、リテーナーの効果はセローに乗り込んでいるライダーなら、如実にわかると思う。その後、1年ほどリテーナーを入れっぱなしにしているが、ストリートユースだと少しシャープすぎるフィーリングだ。慣れれば問題ないのだけれど、いいすぎかもしれないが若干レーサーのようなかっちり感が出る。

様々なところで語られていることだが、やっぱりフロントアップに対してのコントロールの自由度が高くなる。スタンダードのクラッチでは、クラッチをためて、離した時に、明らかに力が逃げる感覚がある。その特性は一定なので、慣れていれば問題がないものなのだけれど、リテーナーのかちっとした感覚は、ダイレクト感が増すのだ。

トライアルライダーは、クラッチを離すフィーリングも、何段階にも使い分けると言うが、おそらくそういうレベルに達するとさらにメリットがでてくるはず。