エルズベルグ2年目の挑戦から、2ヶ月

果たして、2年目のエルズベルグは思い通りのライディングができつつも、チャンスに恵まれず惨敗。この結果を受け、石戸谷は3年目へ向け何を思うのだろう。

「終わって、ウェイトトレーニングを始めました。これまでは持久系のトレーニングをしてきたんですが、もっとマシンをふりまわせるようにならなくちゃと考え直しました。体重は10kgは増やす方向で考えてます。現状で2kg増量しています。たとえば、路面にグリップさせる瞬間です。

それと、スキルと体力を明確にわけて考えるようにしていますね。後半のグリーンヒルに関して言えば、試走時にまったく上がれる気配がなかったんです。辿り着けてはいないけど、これでは完走できないと。トライアルの練習も、トライアル車でやってます。

カールズダイナーに到達できる100人の中に、僕はまだ入っていない。だから、まずはスピード練習です。朝練はずっとスピードを磨いてます。とにかくコーナリングを無駄なく済ませることをまず考えてます。下田丈くんの走りは、理想ですね。あとは、エンデューロGPなんかで参考になるのは、ルイ・ラリューとか…。ぶん回してるわけじゃないのに、減速・旋回・加速の流れがキレイです。僕も、やれる瞬間はなくはない。でも、精度が低くて話しにならないんですね。新たな技術ではないと思う。基礎を、磨いていくこが大事なんだと思います。特別なことが必要なわけじゃないんだと」と石戸谷は言う。

5カ年計画については、すでに遅れ始めている。来年完走するというプランは、難しいだろうと本人も言う。「カールズダイナーを突破できれば、だいぶ成長できたと思える。で、残り2年でつめていければ、完走は非現実的だとは思っていません」と石戸谷。この2年、自分のイベントをやったりと精力的に活動してきたが、その反面自分のスキルを磨く時間を失っていた。「まずは、だから朝練。そして、1年しっかりプランも見なおして、2020年のエルズベルグへ向けて前進しますよ」と。

はっきりいって、石戸谷の参戦を追い、この2年…エルズベルグの完走がいかに難しいかを、知らしめられた。奇跡がおきても、届いたりはしない。この魔の山は、スキルとスピードと…とにかく完走に不足する人間を無慈悲にはじき返してくる。だが、だからこそ面白いのだ。果て無き挑戦を、また来年も見守ろう…!