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トランポとは、常に何かを捨てる運命にある。

ハイエースは乗用車の乗り心地や、ドライビングの楽しさがない。アメリカのどでかいピックアップは、コンパクトさとは無縁だ。アメリカ人は、かつてこの矛盾を解決すべく、セダンをピックアップに仕立てたエルカミーノ、ファルコンなどを世の中に出したが、セダンピックアップは絶滅して久しい。そこに、BMWが出してきたのは、ラグジュアリーSUV「X7」のピックアップ(ま、もちろん市販されるわけじゃないんだが…)だったのだ。

モトラッドデイズのために作られたたった1台のメーカーメイド

余裕の5座を備える車内。ドイツ車ゆえのハイクオリティな質感。そして340hpを発揮する3Lのツインターボエンジンをインストール。素材となったのは、X7のxDrive40iグレードだという。後ろぶった切ってピックアップにしてしまおうというアイデアは、二輪のための祭典「BMWモトラッドデイズ」に向けたもの。コクピットから車高を40mm変更できるなど、至れりつくせりの装備。

おもしろいのは、ハンドクラフトで仕立てられたデッキ部分だ。通常のピックアップとは異なり、ラグジュアリーな装備としてベッドを提案する。長さは140cm、あおりを倒せば200cmで、見ての通り850GSが余裕で収まるベッドだ。

この美しい仕上がり…。素材は、チークとのこと。

この手のコンバージョンピックアップでは、ベッドへのつながりが美しい。このラインこそ、コンバージョンピックアップのアイデンティティだ。

市販される予定その他は、まったくリリースにはないし、夢にも思わない。