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2019年11月にポルトガルで開催されるISDE(FIMインターナショナルシックスデイズエンデューロ)に出場する日本代表チームのことは、すでにoff.jpで紹介しているが、ここではBTM的視点で改めて、日本のワールドトロフィチームについて書いておきたい。

エンデューロ・オブ・ネイションズだ

ISDEは、基本的には国代表チームの対抗戦で、その意味ではモトクロスオブネイションズ、トライアルデナシオンにも似た存在。国代表チームのことを「ワールドトロフィチーム」と呼んでいる。ISDEはワールドトロフィの争奪戦なのだ。

ISDE 2006 / Kiyotaka Kamehata

2日目でリタイアだった鈴木健二の初挑戦

日本のワールドトロフィチームは2006年のニュージ―ランド大会に初めて出場した。2005年に始まったJEC(全日本エンデューロ選手権)のランキング上位から選抜された6名が代表メンバーだった。ライダーは、鈴木健二、藤原広喜、内山裕太郎、池田智泰、博田巌、高橋政人の6名。負傷をおして出場した鈴木が2日目にリタイアしたが、残りの5名が健闘し23か国中15位と、初出場としては健闘したといっていいだろう。鈴木は翌年のチリ大会にも代表として出場。リーダー的存在としてチームジャパンを牽引した。

ISDE 2006 / Kiyotaka Kamehata ニュージ―ランド大会代表の一人 博田巌

JECはISDE選抜として始まった

2005年以前も多くの日本人が出場していたが、すべてクラブチームや個人参加だった。しかし、これらプライベート参加のライダーたちの情熱が、その後のワールドトロフィチーム出場につながっていく。そもそもJECが始まったのも、藤原広喜、神保一哉(当時MFJエンデューロ委員長)ら関係者が、「ISDEにワールドトロフィチームを出場させるためには、選手を育成するため選抜シリーズが必要だ」という動機からだった。

2006年以降、断続的にワールドトロフィチームの出場は続けられるが、2010年を期に一旦派遣が途絶える。世界のレベルに比してのライダーの実力不足もあったが、資金難も大きかった。しかし2016年からISDEルールが変更となり、ワールドトロフィチームの構成が6名から4名にダウンサイズされ、資金的な負担が大幅に軽減された。2017年、JECプロモーションがリードして7年ぶりにチームジャパンが出場した。フランス大会に出場したのは、鈴木健二、内山裕太郎、前橋孝洋、滑川勝之だ。

ドリームチーム

これまで、JECのランキング上位の選手から代表選手をノミネートするのが基本だった。その原則は変わっていないが、MFJエンデューロ委員会は、チーム強化のために思い切ったルール変更を行った。ランキング1位、2位の選手は最優先するが、残りの2名は、JECでの出場実績がある限り、委員会が任意に指名できるようにしたのだ。それによって構成されたのが、今年のチームだ。前橋孝洋、釘村忠、横澤拓夢、渡辺学。横澤と渡辺は、全日本モトクロスやJNCCの活動があるためJECにはフル参戦していないが、その実力はこれまでに充分証明されている。チームは、5月12日、オフビレの全日本モトクロス選手権会場で自らPR活動を行った。目下のところ遠征資金の調達が最大の課題である。