トルクフルで、そもそもトレイルライディングの目的には、これ以上のパワーがいるのだろうか、そんなことをしたためさせていただいたが、日本には「そのバイクでなんでもやりたい、何台ももてない!」という需要もある。モトクロスもやりたい、モタードも! というライダーには、モアパワーが求められることも理解できる。そこで、北米仕様化について調査してみた。

※追記:CRF450LはCRF450Rをベースとしているものの、カムまわり、ピストン、クランク、エアクリーナボックス…Rと同等にするためのハードルは異常に高く、そのまま使える部品もとても少ないため、現実的ではありません。

※追記2:北米仕様にして、公道走行するには、別途申請、手続きが必要になります。また、場合によっては公道走行できなくなる可能性があります。

パーツリスト上、異なるのは4つ

北米仕様のパーツリストと、国内仕様のパーツリストを見比べた場合にパワー関係でパーツナンバーが異なるのは、次の4点だ。

エアクリーナボックス

単純に吸入口が異なる。ただ、国内仕様はこの吸入口をボルト2本と金具で外すことができるので、これは吸入口を外すだけでOKだ。トレールに親しんだライダーからすれば、おなじみの「豚鼻外し」。

外すと、フィルターが丸見え。吸気効率が大幅にあがる。

コネクティングチューブ

スロットルボディと、エアクリーナボックスをつなぐコネクティングチューブ(写真で見えているのはインシュレーター)。エア吸入量を下げるために、口径を絞ってある。

ECU

価格はかなり高額になるだろう、北米仕様のECU。コネクターは同じなので、そのまま装着が可能。なお、RやRXなどのECUとはコネクターが異なる。

エキゾースト

こちらは、そこまで大きく変わらないし、そもそもフルパワー化したい方ならばサードパーティのエキゾーストを待つのが吉と思われる。

編集部推測:北米仕様は旧CRF450Xレベルのパワーデリバリー

開発責任者の内山幹雄氏によれば「北米仕様のCRF450Lは、旧CRF450Xの代替になるように開発しました」とのコメントをいただいている。CRF450Xは、バハ1000おなじみのマシンであり、広大なデザートを走るための名機。もちろん、Rレベルの出力までとはいかないが、クローズドコース前提で相当なパワーを手に入れることができそうだ。

Off1.jp編集部の推測だと、北米仕様はおおよそ40psオーバー。ありあふれるトルクとあわせて、これこそ必要十分だと思われる。釘村・和泉が感じた低回転域のポテンシャルと、このレベルの出力であれば、用途は広まるはず。