「キャンオフっていつからやってるんですか?」といろんな人に聞いてるのですが、明確に答えられる人に会ったことがありません。それほど歴史が深く、毎年世代交代して後輩たちに受け継がれ、時代とともに姿を変えてきたレースということなのでしょう。その長いキャンオフの歴史の中でも(おそらく)初開催であろう広島大会を取材してきました。

西日本豪雨災害を乗り越えてのチャリティー開催

開会式で挨拶したのは今回、主催を務めた福山大学二輪部部長の藤井さん。今回は西日本豪雨の被害を乗り越えてチャリティーとして開催することを決定。当日の運営はキャンオフ西日本実行委員会や応援に駆けつけてくれたマーシャルのみなさんが担当しましたが、レース開催までの準備やコース設営などは福山大学が中心となっておこないました。

学生らしい、元気あふれる雰囲気。OBや社会人も多く参加していましたが、若い学生と一緒に盛り上がっていましたよ。

スタートはキャンオフ史上初(?)のル・マン式スタート。関西の名MCおやじちゃんの「テーンセカンッ!」の掛け声で静まり返り、スタートフラッグが振られると全ライダーが一斉に自分のマシンに向かって駆け出しました。

総合優勝した冨永たすくさん「本当は今回参加は見合わせようと思っていたのですが、震災のチャリティーになると聞いてエントリーすることにしました。バイク業界ももっともっと盛り上がって行けばいいな、と思います。どうもありがとうございました!」

心強いスペシャルなマーシャル陣

今回は主催である福山大学の声かけでキャンオフとしては異例の超豪華マーシャル陣が揃いました。現役のエンデューロIA熊本悠太選手やエルズベルグロデオの出場経験もある水上泰佑選手をはじめ、テージャスランチを知り尽くしたベテランライダーたちです。

ビギナークラスに作られた難所、ガレた登りセクションではこれだけのマーシャルが待機していて、時には代走したりもしながら初心者ライダーを全力サポート。これほど心強いことはないですね! 今回は広島開催ということで、撤収作業が長引いて参加者の帰宅が遅くなることが懸念されていましたが、こちらもベテランマーシャル陣や、参加者のご協力により速やかに撤収作業を終えることができました。

山口県から参加、山口東京理科大学二輪部

「福山大学の渡辺くんに誘われて、今年からキャンオフに出始めました。普段は笛太郎ファームというコースで練習していて、現在部員は5人くらいいます。北九州エンデューロやJNCCにも出ることがありますね。中部まで行くとどうしても1日がかりになってしまうのですが、広島なら高速で3〜4時間で来られますので、助かります。こういう理由がないとなかなかテージャスまで来ることはないので、いい経験になりました」と、山口東京理科大学二輪部の内藤さんと渋谷さん。

部活に代々受け継がれているというXR250R。このタンクをみればどれだけの修羅場をくぐり抜けてきたのか想像に難くない。

SNSで知り合った仲間、ゆとりレーシング

「SNSで知り合った友人同士なんですが、たまたまみんな昭和63年生まれで、「ゆとり世代」ということでチーム名にしました。他のレース会場で福山大学の人に誘われてキャンオフ広島大会のことを知り、出てみようと思いました。岡山県に住んでいるので、中部にはなかなか行くことができませんが、広島なら隣の県なので参加しやすいですね」

子供と一緒にキャンオフに戻ってきたOB

チャレンジクラスにエントリーした鞆永さんはキャンオフ西日本の運営を司る京都学園大学のOB。広島に引っ越して、長いことキャンオフから遠ざかってしまっていましたが、久しぶりに参加することができたとのこと。小学6年生の葵くんは初レース、KX65でビギナークラスを3周。

フルサイズのマシンでもスタックするヒルクライムを、ラインを工夫することで自力でしっかり登りきっていた葵くん。「難しかったけど、楽しかった!」と笑顔で答えてくれました。

初レース、最高でした!

ビギナークラスに参加した倉本さんは社会人になってからオフロードバイクを初めて今回が初レース。ノーマルタイヤのKDX125でビギナークラスを5周! あのガレ場、よく登れましたね(汗)。

一体普段どんなところを走っているのか怖くて聞けなかったハンドガード。

大人気、冷やし担々麺は無事完売!

今回出店しつつレースにも参加してくれた「麺や あ、うん」のお二人。デカール制作「MOTO CRUSADER」もやっている中島礼子さんはビギナークラスで3位表彰台。店主の安居さんはチャレンジクラスで出走。