アジアクロスカントリーラリーが、いよいよ幕開け。

PHOTO/YUTAKA MORIMOTO(NO LIMIT)

ラリーでは、SS(スペシャルステージ)と呼ばれる区間のみタイム計測がおこなわれる。ルートと呼ばれるSS以外の部分は、平和そのものだ。ホテルをスタートすると、公道をふくむこのルートを今日は2時間ほど走り、SSのスタートを迎えた。

「ルートでの走りは、快適そのもの。レーサーだと、振動が辛くてこういう区間でも疲労がたまりますが、CRF250RALLYはトレールだけあってまったく疲れないですね」とべた褒め。LD(ローダウン)バージョンだから、低重心でさらに安定感がある。「こしらえてもらった野口シートも、これまでよりさらに調子がよかったです。スポンジフォームがホールドしやすい反発力があって、コシもある。やっぱりラリーにはシートが大事だって痛感しました」と増田。

CRF250RALLY「LD」のメリットとデメリット

SSスタート前、ゴーグルを取り替える増田。ダブルレンズが、多湿のせいか盛大に曇ってしまった。

PHOTO/YUTAKA MORIMOTO(NO LIMIT)

「コマ図が丁寧で、何回かルートミスしたんですが、簡単に元に戻ることができる。ナビは細かくて難しいのですが、優しさが垣間見えるものでした」と。

のんびりした農村を通るSS。住民の往来も時々ある。

ゴムの木の林を、200km抜けていく壮大なSSだ。

「ローダウンの足付きのよさは、何にも代えがたいメリットでした。足付きがいいだけでクリアできるセクションがあるし、通常の取り回しもしやすい」特に体格の小さな増田には、その効果が大きい。

デメリットは、ラリーの場合SSでスピードが出るので「少しのギャップでも、底づいてしまうシーンもあります。サスペンションをチューニングしてくるのもありだと思いますが、今回はライン選びでカバーしたい」と増田。

ラリーでは現場ではじめてわかることだらけ。こうして序盤で、自分とマシンをアジャストしていって成績をねらっていくのが醍醐味。

SSを終えた満足な表情。

なお、このあと増田はルート上でガス欠してしまったとのこと。「ガソリン不足のランプがCRF250RALLYにはついているのですが、ラリータワーに隠れているのを見落としてしまいました」と。しかし、そもそもこの時点でガス欠となると、燃費12km/lほどとなってしまうため、さすがに開けっぷりのいい増田といえどあまりに悪すぎる(CRF250RALLYは実燃費で30km/l付近だ)。チェーンが大幅に伸びていた(整備ミス)ことが一つの原因と考えられるが、このあとの日程でしっかり原因を探っておきたい。

スクリーンは、衝撃で外れてしまう

このラリー初のSSでは、スクリーンが脱落。「一度も転けていないんですが、ジャンプしてしまった時の大きな衝撃で、スクリーンが外れてしまったんです」と。CRF250RALLYは、公道で走ることを考慮して転倒時などに体を守るため、スクリーンが外れやすくなっているのだろう。ラリーの過大な衝撃には耐えられなかったよう。

というわけで、スクリーンをタイラップで補強。これで3日目の準備も万端だ。