2010年代後半の、ダカールチャレンジャーを代表するライダー風間晋之介。彼が2018年を戦ったWR450F Rally Replicaが日本へ帰着した。激戦の8000kmを戦い抜いた珠玉のマシンの撮影は、緊張感たっぷりのものだった。

DRAG'ON Racingが取り扱うプライベーター向けパッケージ

ヤマハのラリー活動は、フランスヤマハに一任されており、風間の活動もフランスヤマハにほど近い位置にある。2017年からダカールにチャレンジし続けているが、レーシングアシスタントや、マシンの調達含めてフランスのDRAG'ON Racingによるもの。同社は、プライベーターに向けてWR450F Rally Replicaをサービスしており、風間もこれを利用している。

現実的なところ、このレプリカはファクトリーマシンの1年前の仕様とほぼ同じだと言う。つまり、今回の18を戦ったマシンは、17ダカールで活躍したWR450F Rallyファクトリーマシンそのもの。

2017年に戦ったマシンとは、ベースとなるWR450F比較でちょうど世代交代されたモデルだ。つまり、フレームが一新され、セルモーターが付いた。昨年泣かされたキック始動に関して、今年はだいぶ楽ができたと言う。

本物のラリーコクピット

それでは、まずダカールらしさを感じてもらうために、コクピットからご覧頂こう。

ダカールの場合、上部2つのラリーコンピューターをメインで使用し、予備でもう1つラリーコンピューターを持っておくのが定石。上二つはGPS仕様のトリップで、下のRNS製はアナログのトリップ。スタンディング時に見やすい角度にセッティングされる。

160km/hを超える最高速度のなかでナビゲーションしていくために、フランスヤマハが培ってきたノウハウが凝縮されている。

トリップメーターの操作、マップケースの操作は、左手親指でおこなえるように設計。ラリーマシンの主流の方式。

スポンジグリップはラリーマシンのキホン。振動による疲れを防止する。10年ほど前は、使い込むことで手にフィットしてマメができづらくなるということで、エンデューロバイクにも使用するライダーが多かった。