三橋淳が2016年のダカールラリーを完走、つまり日本ではじめて南米のダカールをフィニッシュして以来、日本でのダカールに対するイメージががらっと変わった。もちろんベテラン三橋の域へイージーにたどり着けるわけではないけれど、風間晋之介が次の年2017年への挑戦を表明し、今のところ2年連続で完走。そしてまた、女性アスリートからダカールチャレンジへの声が上がっている。全日本モトクロスレディスクラスにおける創世記を彩り、MTBダウンヒルでは世界へ飛び出した、増田まみ。

激走ママチャリ | Extreme Bicycle for Mom

youtu.be

最も人々の記憶に残っているのは、きっとこの激走ママのPV。昔から、面白そうなことがあったら、弾丸のように飛び出していったこと、今もラリー界へ弾丸のように突進していく姿に称賛をこめて、弾丸ママと呼ばせてもらおう。弾丸ママは、この夏「アジアクロスカントリーラリー」へ向かう。Off1.jpではこの挑戦を、余すところなくフォローさせていただくつもりだ。

2020年のダカール参戦を目指して

増田まみ:私は、三好礼子さんが映画に出ているのに憧れたのがきっかけだったんですが、私が見ていた時代とはやっぱりレース自体が変わってきてるなというのをすごく感じますね。

ただ、ダカールに出るっていうところがゴールではなくて、その先のことをやりたいんです。

自分には子どもがいて、実際に自転車にも乗っていて危なさも知っているので、そういうことを伝えていけるのって、私の役目かなって思っています。オートバイも便利で楽しいな乗り物だけど、危なさももちろん伝える必要がある。大事な命が本当に一瞬で奪われてしまうというものですから、母親の目線から安全を伝えたいと思っているんです。

稲垣:なるほど。説得力がすごくある話ですね。

増田まみ:それに、子どもたちに、自分の背中を見せてあげたいというか。だから、より安全に周るために私の体制として考えてるのは必ず、要はペーサーをつけたいと思ってるんですね。

稲垣:チームを組んで、二人で完走するという目標になると。

増田まみ:安全じゃなかったら意味がない。完走ができたのは、ここまでのスキルがあって、精神面があったからだ、と全部つなげたいんですよね。そう簡単に考えたら私の参戦プランでは、三千万円くらいのイメージですよね。そこに向かっていく姿勢というのは子どもたちも絶対見ててくれてると思っています。

封印していたというと変なんですけど、「ああ、バイク乗りたいな」ってすごく思ってたんです。自転車引退しちゃうと何もないから、やっぱりバイク乗りたいなと。子どもがいるから無理かなとか、それで自分を納得させてたんです。

ーーーーーーーー

2016年、Off1.jp編集部の稲垣が2019年に向けてダカールへの参戦を表明した増田まみとの対談から。この年、増田は4人の小さな子供を抱えながらエンデューロに参戦することで、レース感を取り戻そうとしていた。

結果的に、準備が遅れていて、いまは2020年の参戦を目指していると増田は言う。SSERのラリーにも多数参戦をしていて、モンゴルラリーや、TBIも無事フィニッシュ。

「アジアクロスカントリーラリーには、前から興味がありました。今回はトレーニングの一環も兼ねていますが、より多くの人達にラリーの楽しさを伝えたいという思いが強いんです」と増田は言う。

JECを走る増田。この3年での国内のエンデューロ、クロスカントリー、そしてラリーの出場回数はとんでもなく多い。

JECのウィメンズクラスにフル参戦するメンバーに、増田は含まれている。今季は現在ランキング2位。FIMより、2018 FIM WOMEN’S ENDUROのドイツGPに第5戦終了時上位2名が招待されるチャンスがあることもあって、今季は気合いのノリが違う。